SPECIAL INTERVIEW vol.81
ラディアンヌ株式会社様|オフィスデザイン・レイアウト事例
働きやすさと愛着を育てる、社員参加のオフィスづくり
担当営業:T. Shima、S. Fujioka / 担当設計・デザイン:A. Fujimoto

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私たちは、インナーウェアや美容雑貨、化粧品など、女性の美や健康をサポートする商品・サービスを展開しています。
もともとは、手頃な価格で気軽に始められる補正下着ブランドとしてスタートしましたが、現在ではブランドを複数展開し、補正下着だけではなく、インナーウェアやセルフケアなど、女性のさまざまな悩みやニーズに応えられる商品づくりに取り組んでいます。「妊娠・出産・加齢など、ライフステージの変化に寄り添い、女性が自分らしく輝けるように」という想いを大切に、商品やサービスをお届けしています。
私たちが商品やサービスをつくるうえで大切にしているのは、「美に向かう、女性の一歩を応援する」という考え方です。美しくなりたいと思っていても、価格や時間、年齢など、さまざまな理由で一歩を踏み出せないことがあります。だからこそ、できるだけ手に取りやすい価格や、簡単に使える商品を提供し、より多くの方に美容を楽しんでいただける選択肢を増やしたいと考えています。
そして、もう一つ大切にしているのが、「お客様と一緒に商品をつくる」という姿勢です。私たちは、企業側の思い込みだけで商品をつくるのではなく、お客様の声や悩みに耳を傾け、そこから商品開発につなげていくことを大切にしています。

今回の増床では、3階をどのような場所にしたいと考えられていましたか?

既存の7階は、カスタマーサクセス部署の執務スペース、およびお客様をお迎えするフィッティングサロンとして引き続き活用しています。
一方で、新たに増床した3階は、その他の部署が集まるメインの執務空間や、社内外のコミュニケーション拠点として位置付けました。マーケティング、デザイン、商品開発、クリエイティブなどのメンバーたちが、この3階で働くことになります。
この3階にリフレッシュスペースや茶室などの共用空間を集約させたのは、「社員がリラックスして集まりやすい場所にしたい」と考えていたからです。同じビル内で「顧客の声に向き合う機能(7階)」と「新しい企画や発信を行う機能(3階)」をスムーズに両立させつつ、社員が気軽に集まり交流できる場所にすることを目指しました。
社員主体でオフィスづくりを進めることになった背景を教えてください
はい。最初から社員の意見を取り入れて進めようと考えていました。やはり、毎日長い時間を過ごす社員自身が「来たくなる場所」「自分らしく働ける場所」にするには、現場の使い勝手や、社員たちの想いを直接形にするのが一番だ、と考えたからです。
ですので、会社として「こう働いてほしい」と一方的に決めてしまうようなことはありませんでした。その根底には、産休や育休から復帰した社員も含めて、「ライフステージの変化があっても、長く自分らしく、楽しく働いてほしい」という、社員に対する願いがあったからです。そのため、実際に働く社員たちの声を何よりも尊重し、みんなで話し合いながら進めていく形にしました。


今回のオフィスづくりには、どのようなメンバーが関わったのでしょうか?
主に、新たに3階を使用することになる各部署のマネージャー陣が中心となって関わりました。現場の業務や、メンバーそれぞれの働き方を一番よく理解しているマネージャーたちが部署を代表して意見をまとめて、オフィスコム様との打ち合わせにも出席しながらプロジェクトを進めてくれました。
さらに、一般のスタッフの中からも、積極的に意見を出してくれる社員が数名、自発的にプロジェクトへ深く参画してくれました。彼女たちがハブとなって、オフィスコム様が作成してくれたアンケートなどを通じて女性スタッフ全員の生の声を丁寧に拾い上げてくれたおかげで、現場の使いやすさがそのまま投影されたオフィスになりました。

固定席とパネル付きデスクを選んだ理由を教えてください

私たちの業務には、EC運営やデザインなど、集中してPCに向き合う業務が多いことから、自席で落ち着いて作業に没頭することができ、周囲の視線や音を適度に遮るパネル付きデスクが、業務効率と心理的安心感の両面で最適だと判断しました。
当初、役員側からはフリーアドレス(ABW)を推進する声もありました。しかし、現場の働き方を調査し、詳しく確認すると、資料や個人で保管する物が多いことや、よく会話する部署ごとに席を固めたいという要望がありました。フリーアドレス(ABW)を導入しても毎日同じ場所に座ることになっては実用性に欠けるため、それならば各席に専用のワゴンを設けた固定席にする方が実用的だという結論に至りました。
その一方で、デザイナーの席の横には業務効率に配慮して、ミシンを使用するための作業台を残しています。また、固定席を基本としながらも、気分を変えたい時やオンラインミーティングの際、あるいは将来の増員に備えるための予備席として、空きスペースを利用した「集中スペース」もあわせて設けています。
デザイン面での色味や配色は、どのように決められましたか?
毎日過ごしても視覚的に疲れないニュアンスカラー(淡いワントーン)を意識しました。
当初、設計を担当した藤本さんからは、汚れにくさなどのメンテナンス面を考慮して、床材にメリハリのある色調をご提案いただきました。ですが、最初のプレゼンの際に、図面を見た女性社員たちから「もっと淡いトーンが良い。メリハリよりも、ワントーンの繊細なグラデーションが良い」と意見が出ました。設計側もすぐにその好みを汲み取って、トレンドを押さえた非常に上品な淡いワントーンの空間へと仕上げてくださいました。
また、白・ベージュ・明るい木目を空間の絶対的な基調としつつ、私たちのブランドを象徴するコーポレートカラー(ロゴ等に使われる上品なエンジ色を少し薄くしたような色)を、内装の壁紙やチェアのファブリックとして馴染ませています。 好みが分かれやすいチェアのカラー比率(ベージュとテラコッタ)については、スタッフの要望を反映して「15対5」という比率に調整しました。ショールームでサンプルを実際にみんなで囲んで話し合い、全員が納得感を持って決定することができました。


リフレッシュスペースには社員の声をどう反映しましたか?
リフレッシュスペースは、ランチタイムはもちろん、仕事終わりの雑談やイベント時など、日常的に活用されています。
私たちは非常に社員同士の仲が良く、和気あいあいとした社風です。そのため、単なるお昼休みの休憩室ではなく、立ち話ミーティングやお酒を楽しめる「1つの店舗」のような活気ある場所にしたいと考えていました。そこで、みんなでスポーツの大会などを観て応援できる大型モニターを設置し、勤務時間後にはお酒を飲めるバーカウンター風のハイテーブルを設けました。社外のお客様や採用面接に来た求職者様にも、ありのままの雰囲気が伝わるよう、あえて「エントランスのすぐ横」に配置したのも大きな特徴です。
予算調整のプロセスでは、壁面クロスを通常のものに変更するなどコストを削らなければならない場面もありましたが、飾り棚は予算調整のなかで一度は削る案も出ましたが、社員から「飾り棚は残したい」という声が上がり、最終的に復活することになりました。現在では自分たちで好きな小物や写真を飾り、温かくアットホームで居心地の良い空間になっています。

「低い入り口のある茶室」は、日頃どのように使われていますか?
この茶室は、1対1の面談や少人数でのブレスト、気分を変えて話したい時に活用しています。
元々は「海外の工場や取引先を招いた際に、日本らしさを味わってほしい」「社内にカジュアルに”和”を感じられる打ち合わせスペースが欲しい」という要望から生まれた空間です。設計の藤本さんが、ホストもゲストも同じ目線で向き合い、心尽くしのおもてなしを相互に体感できるフラットな場として、茶道のおもてなしの心をを表す「にじり口」の精神をオフィスに宿すことを提案してくださり、入り口の扉をあえて150cm以下(大人が頭を下げてかがまないと入れない高さ)に設計しました。
「かがんで入る」というこのユニークな動きをすることで、入る瞬間に自然と日常の忙しい気持ちがリセットされます。そして何より、この空間の中に入ったら役職に関わらず、全員がフラットで本音の会話が生まれやすい効果を確かに感じています。完成後、初めてくぐり抜けた社員や社長が「え、すごい!」と驚き、とても喜んでいたのが印象的で、社長も一番凝ったお気に入りの場所として嬉しそうに来客に案内しています。 なお、畳の一部を板間に変更して掃除をしやすくするなど、美観だけでなく日常の機能性や実用性もしっかりと両立させています。


ショールームを活用したことで、どんな良さがありましたか?

カタログや図面だけでは絶対に分からない、チェアの座り心地や、素材の質感、空間に置いた際の色味を、実物でしっかりと確認できたことです。
今回の増床プロジェクトでは、実際に新しい3階のオフィスで働くスタッフや役員が、オフィスコム様のショールームへ直接足を運びました。実際のチェアに座って座り心地を試したり、色味や質感を目で見て確かめたりしながら、一つひとつ家具を選んでいきました。
カタログや画面上だけでは分かりにくい部分も、自分たちの目で見て、実際に触れながら納得できるまで確認することができたので、完成後もイメージとのギャップがありませんでした。スタッフみんなが納得感を持ち、愛着を感じながら新しいオフィスを迎えることができたと思います。
「自分たちでつくったオフィス」という実感や愛着はありますか?
非常に強い愛着を感じています。自分たちの意見が反映された床のグラデーションやチェアの配色を見るたびに、「自分たちのオフィスだ」と誇らしく思いますし、同時に、この空間を綺麗に保とうという意識も高まりました。
また、新しいオフィスが同じビル内(3階)だったこともあって、工事期間中にもスタッフたちがちょこちょこ現場をのぞきに行っていました。「私たちの席、このあたりだよ」「今のオフィスより広くなるね」「社長が話していた茶室って、こんな感じなんだ。お昼寝もできそうだね(笑)」などと話しながら、少しずつ形になっていく様子を楽しんでいたようです。自分たちのオフィスができあがっていく過程を間近で見られたことも、完成後の愛着につながったと感じています。

8社のコンペでオフィスコムを選んだ理由は何ですか?

オフィスコム様のご提案が、当社の理念や『こんなオフィスにしたい』という理想の形に一番近かったことが最大の決め手です。こちらの想いを深く汲み取り、しっかりと空間デザインに落とし込んでくださっていると感じました。また、デザイン性や機能性が高いだけでなく、予算内で実現できる納得のいく価格帯であったことも大きな理由です。
実は、他社様が造作家具(オーダーメイドの家具)をメインとしたご提案を多くされていたのに対し、オフィスコム様は「予算を抑えつつ、上質でおしゃれな空間にしたい」という私たちの本音やニーズを的確に汲み取ってくださいました。リーズナブルでありながら洗練されたデザインの家具をスピーディに組み合わせて現実的なプランを提示してくださったのは、オフィスコム様だけでした。
オフィスコムに任せてよかったと感じた点は何でしたか?
予算調整や細かな仕様変更の際も柔軟かつ親身に対応してくださり、常に私たちの立場に立って伴走してくれた点です。
特に予算調整の局面では、私たちのやりたいこと(ジムのスペースやキッチンなど)が盛りだくさんだったため、当初は予算をオーバーしてしまいました。ですが、単に『予算が合わないから削りましょう』と切り捨てるのではなく、『何が本当に重要なのか』を私たちの目線になって一緒に整理してくださいました。
例えば、海外からのお客様をおもてなしするための『茶室』という一番のこだわりは絶対にブラさずに守り抜き、一方で、高額になりがちなガラスの間仕切りは、防音性をしっかりと確保できる造作壁(LGS壁)に変更することを提案してくれるなど、コストを抑えつつ実用性を高める柔軟な代替案を親身に考えてくれました。


新しいオフィスになって、社員のみなさんにどのようなプラスの変化がありましたか?
出社すること自体が楽しみになり、社内のコミュニケーションが明らかに活発になりました。集中して作業する時間と、リフレッシュする時間のメリハリが生まれ、より活き活きと働けています。
これまでの7階オフィスでは、部署やグループでまとまって仕事をしたくても、席が離れてしまうことがあり、ちょっとした相談をするにも相手の席まで行ったり、チャットで連絡したりする必要がありました。また、会議室も4名用のみだったため、人数の多い打ち合わせでは、それぞれが自席からWeb会議に参加することもありました。
新しいオフィスでは、部署やグループごとに近くに座れるようになり、以前よりも声をかけたり相談したりしやすくなりました。さらに、6〜8名で使える会議室のほか、社員同士で気軽に話せるリフレッシュスペースや茶室も設けたことで、打ち合わせの内容や人数に合わせて場所を選べるようになっています。特にリフレッシュスペースはオフィスの中心にあるので、ちょっとした相談や部署を越えたコミュニケーションも自然と生まれやすくなりました。
また、今回は別拠点にいたテレワーク(カスタマー)のチームを7階へ統合し、3階にはクリエイティブやマーケティングの拠点を集約するという、会社にとっても大きな体制移行でもありました。同じビル内の3階に開放的なリフレッシュスペースを設けたことで、異なるフロアや部署のスタッフ同士が自然と集まれるようになり、チーム間の一体感や、新しいオフィスで共に働くことへの期待感が社内全体でとても高まっています。

社員のみなさんにオフィスづくりを任せたことを、今どのように振り返っていますか?
社員に任せたことで、主体性とオフィスへの愛着が生まれ、想像以上に素晴らしい空間になりました。社員を信じて任せて、本当に良かったと感じています。
例えば、床材の繊細なニュアンスカラーのグラデーションや、ショールームでサンプルをみんなで囲んで決めたチェアのカラー比率、作業に没頭するためのパネル付きの固定席など、実際に毎日を過ごすスタッフたちの『これがいい!』というリアルな声が、細部に至るまでそのまま形になっています。
もし会社から一方的に与えられただけのオフィスだったとしたら、これほどまでの強い愛着や誇りは生まれなかったと思います。自分たちの手で考え、選択するプロセスに参加したからこそ、完成した新しいオフィスを「自分たちの場所だ」と一人ひとりが実感し、綺麗に保とうという意識も自然と高まりました。本当に、社員を信じて任せて良かったと感じています。

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