覗いてみよう、オフィスデザインの世界
どんな風にオフィスってデザインされているの?
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オフィスデザイナー FC事業部 設計・施工管理課 主任
皆川 智晃TOMOAKI MINAGAWA
1968年 横浜生まれ。新卒後、イベント制作会社にて施工管理を経験。その後自分のスキルアップのために店舗デザイン・設計の道へ。専任技術者として20数年独学で学んできた知識と経験を生かしお客様にとって快適に過ごせる空間をご提供できますよう日々精進しております。
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オフィスデザイナー FC事業部 設計・施工管理課
李 妍LI KEN
1989年 中国天津生まれ。インテリア学科を卒業後、店舗デザイン事務所にて有名アパレル店舗のデザイン業務を経て、オフィスコムに入社。「第二の家のように、使い心地が良いオフィス」を目指し、設計・デザイン行っております。
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ディレクター クリエイター部 主任
阿部 啓HIROMU ABE
1982年 千葉生まれ。新卒より某アパレル企業にて、WEB・紙媒体のデザイン制作を経験。その後、オフィス業界に興味をもちオフィスコムに入社。デザイン制作で培った経験とノウハウでクリエイティブチームの企画・監修を担当。
オフィスデザイナーという職業について
働く人たちの顔や行動、空間、導線、家具に至るまでを思い描き、長時間働いても誰もが心地よくいられる空間を設計する。
阿部:一般的にデザイナーというとアパレル、インテリアのデザインやWEB、紙媒体等の制作をイメージする人が多いと思うんですが、オフィスデザイナーとはどういったご職業なんでしょうか?
皆川:働くうえで1日の大半をオフィスで過ごすじゃないですか?
そこで働く人たちの顔や行動、空間、導線、家具に至るまでを思い描き、長時間働いても誰もが心地よくいられる空間をご提供しております。
阿部:オフィスのトータル的な空間設計ということでよろしいでしょうか?
皆川:そうですね!
オフィスレイアウトからオフィス家具の選定。エントランスや照明、床などもデザインしており、求められればトイレスペースや喫煙スペース等のデザイン・空間設計もさせていただいております。
阿部:トイレスペースもですか?オフィス空間に携わることは全てという感じですかね。
空間設計する際には具体的にどういった作業をされているんでしょうか?
皆川:そうですね。
オフィスのレイアウトを書く際にはCADソフトを使い平面図の作図と実際の家具を配置したり、内装工事を行った際のイメージ図を立体的な3Dパース(※注1)で可視化。
成果物としてお客様に無料でご提供させていただいております。やっぱり実際の完成イメージが見えないと、社内稟議や予算決めが難航したり、お客様もどういったオフィスが完成するかイメージできず不安になりますからね。
阿部:確かに立体的な完成イメージがあると非常に有り難いです。でも、平面図や3Dパースの作図が無料ですか?
作図を依頼すると有料の会社が多い中(※相場だと3万~4万円)、無料とはスゴイですね!
皆川:プランナー・デザイナー・職人を自社で内製化しているので、コストがかからず無料でお客様にご提供することが可能なんですよ。
ご依頼日から最短2日で作図可能です。
阿部:なるほど!
外注せずに営業・企画・デザイン・施工の機能がすべて内製化されている事でスピーディーにコストを抑えることが可能ということですね。
オフィスデザイナーとは、「従業員と会社をより良い関係で結ぶ」仕事
阿部:続きまして、李さんの考えるオフィスデザイナーとはどういったご職業でしょうか?
李:私が考えるオフィスデザイナーとは「従業員と会社をより良い関係で結ぶ」仕事だと考えております。
阿部:「従業員と会社をより良い関係で結ぶ」非常に良いコメントを頂きましたが、具体的にはどういった事なんでしょうか?
李:皆川の方からもありましたが、オフィスは1日の大半を過ごす場所になるため、誰もが快適で“自分のスタイルに合った”オフィスで働きたいと思うのは当然だと思います。
オフィスが給料をもらうために拘束される場所ではなく、第二の家のような場所になれば、従業員のモチベーションが上がり生産性と満足度が向上。
社員と会社の関係性をより良好にすることが可能だと考えております。
阿部:確かに1日の大半を過ごすオフィスでは快適に過ごしたいですね~。
快適な空間であればより一層仕事に集中でき仕事も捗りそうですし。
会社にとっても生産性が上がることは嬉しい事なのでお互いにメリットがありますしね。
デザイン会社や有名企業だけがオシャレで機能的なオフィスを持つ。そんな考え方は時代遅れかもしれません。
お金を掛ければ快適なオフィスが構築できるわけではない。小さな工夫を重ねることで快適なオフィスを構築できる。
阿部:そうですか!ただ、すべての企業様が潤沢な資金を持っている訳ではないですよね?
例えば開業時やスタートアップなど。資金力が乏しい企業様はどのようにしたらいいでしょうか?
皆川:決してお金を掛ければ快適なオフィスが構築できるとは考えておりません。
お金を掛けずとも、工夫次第では従業員のストレス値を下げ、満足度を向上することは可能です。
例えば、狭いオフィスであってもゾーニング計画(※注2)や導線設計をしっかりと考えたオフィスレイアウトにすれば、人が通るたびにイスを何度もひいてイライラすることは少なくなるだろうし、無駄な距離を歩いて書類を取りに行く必要性も少なくなります。また、壁と社員の空間を適正にとれば声が反響することも無くなり、閉塞感も緩和されます。
こういった小さな工夫を重ねることで開業時でも、充分快適なオフィスを構築することが出来ます。
阿部:ほー!お金を掛けなくても工夫次第では機能的なオフィス環境にすることが出来るんですね!
オフィス設計のこだわり
皆川:コストとデザイン案のバランスを意識してデザインする 李:活発に声が飛び交う最高のコミュニケーションの場を創出する
阿部:オフィスを設計する上でこだわりのポイントとかってありますか?
皆川:う~ん。こだわりのポイントと言えるかわかりませんが、コストに見合った最適なデザイン提案することを心掛けています。
デザイン案が過剰すぎて無駄にコストが膨らんだり、機能性が失われてしまったら本末転倒なので。
人材、機能、ワークスタイル、企業イメージを限られた予算の中で最大化できるよう、コストとデザイン案のバランスを常に意識してデザイン設計しております。
阿部:顧客にとってコストは最も気になるポイントだと思います。
変に恰好つけたり斜に構えた提案より、しっかりとコスト感覚を持ってデザインしてくれるのは好感が持てますね。
李さんはどうでしょうか?
李:私のこだわりは、コミュニケーションを促すオフィスづくりです。
オフィスにおけるコミュニケーションへの関心はますます高まってきていて、お客様からの要望も多種多様になってきています。
どんな会社にしたいのか、社内の雰囲気をどうしていきたいのか、毎日のワークタイムをどう過ごしたいのか。このような、お客様の想いや考えを、デザインというツールで表現し、活発に声が飛び交う最高のコミュニケーションの場を創出できればと考えております。
阿部:コミュニケーションは生産性に直結するので重要ですよね。
アメリカのTwitter社などは、社員向けのカフェでスタッフが好きな時間にビールが飲めるようになっていたり、ビリヤードやチェスルームなんかも設けています。
それだけ企業がコミュニケーションに重点を置いているということでしょうか。
おわりに・・・
阿部:1日の大半を過ごすオフィスが、上司からの指示だけを黙々とこなし、給料をもらうための“作業場”ではなく。
“第二の家”のように快適で活発に意見やアイディアが飛び交い“仕事が楽しい”と思えるような空間になればいいなとお二人のお話を通じて感じました。
その中でオフィスデザインに対しての熱い思い、オフィスを作る側からのプロフェッショナルな意見を聞くことができました。
※注1 3Dパースとは
主に建築や内装の仕上がりの確認や完成イメージを視覚化するための制作物。
立体的に3次元で描くイメージスケッチ。
※注2 ゾーニング計画とは
オフィス内にある様々な機能スペースを、オフィス全体に割り当てることを言う。オフィスに会議室や一般執務スペースなど、様々なスペースをその役割や、ほかのスペースとの関連性を考慮して配置する。