OAフロア(フリーアクセスフロア)について
OAフロアの構造分類
一般的に言われているOAフロアとは、正式名称をフリーアクセスフロアと言います。
床の上にネットワーク配線、電気配線などを配置するための一定の空間をとり、その上に別の床を設けた二重床のことを言います。
文字通りオフィスをはじめ、店舗、工場などの配線を多く必要とする場所に設置され、二重床などとも呼ばれます。
【OAフロアのメリット】
- 自由に配線できるため、デスク・OA機器の配置を自由にできる
- レイアウト変更が容易にできる
- 床表面に配線がないことから、人の通行や椅子の移動等が自由にできる
- 人の通行や椅子の移動等によって断線する恐れがない
- 断線リスクの軽減
- 事務所内等の美観の向上
OAフロアの構造分類
メーカー各社において、安全かつ便利にフロアを使用できるよう研究・開発が重ねられ、現在ではOAフロアは、構造上2つのタイプに分類されています。
■パネル構法
鉄やコンクリートで出来たパネルを、支柱で支持し空間を形成する構法です。
床の高さを調整できるというメリットがありますが、その分フロア自体の耐久性や対ノイズ性能にやや難があります。(※製品によって異なります。)
■溝構法
溝を作るための構成部品で二重床を構成し、溝カバーパネルで蓋をし空間を形成する構法です。
フロア自体の耐久性も十分にあり、歩行感、対ノイズ性能など、数多くのメリットがありますが、高さを調整ができないというデメリットがあります。
パネル構法について
メーカー各社において、安全かつ便利にフロアを使用できるよう研究・開発が重ねられ、現在ではOAフロアは、構造上2つのタイパネル構法には更に2種類に分類されます。
■支柱一体型置敷式簡易OAフロア
パネル自体はPP樹脂などで出来ており、パネルを置敷するタイプが主流です。
その為、敷設コストは若干安く、パネルを置き換えればよいため、簡単にレイアウトの変更・増設が可能であるのがメリットです。
デメリットとしては、歩行感に若干の違和感と空洞音があることが挙げられます。また、配線をしっかりと設計・固定しておかないと、配線の混触、ノイズが発生する可能性があり、特に構造上支柱が配線の上に乗ってしまう可能性があることから、特に念入りに処置と対ノイズ対策を行うことが必要です。
■支柱分離型床高調整式OAフロア
パネルはスチールやコンクリートなどで出来ており、高さ調整が可能で十分な配線容量を床下部分の空間に作れ、床下部分のスペースを自由に使うことができることから、配線の変更・増設の自由度も高いOAフロアであるのがメリット。また、配線をしっかりと設計・固定しておかないと、配線の混触、ノイズが発生する可能性があるので、処置と対ノイズ対策を行うことが必要なのがデメリットでもあります。プに分類されています。
溝構法について
溝構法のOAフロアは、高強度軽量コンクリートと溝カバー部分の鉄鋼でできています。
歩行時に空洞音やガタツキなどは無く良好な歩行感が得られます。また、溝カバーを取るだけで配線を組み替えることができるため、特に専門業者に依頼しなくても配線の変更・増設を行えることから、メンテナンス費用の面で優れています。更に、配線がコンクリートの溝に格納されている為、混触を防止することができ、対ノイズ性能も秀逸です。
デメリットとしては、床高調整ができないことが挙げられます。(※製品によって異なります。)
配線の混触、ノイズ
■混触防止
OAフロアの内部には、電源コードやLANコードなどの通信回線、その他OA機器の配線が張り巡らされており、これらの配線を密接に接着させておくと、配線が熱をもつ等の原因によって混触し、火災や感電の原因になる危険性があります。
こういった災害を防止する為に、国は「電気設備に関する技術基準を定める省令」を定めて、その中で異種配線の混触防止を規定しています。また、このガイドラインも経済産業省より出ており、「低圧屋内配線と弱電流電線等又は水管、ガス管若しくはこれらに類するものとの離隔距離は10cm(電線が裸電線である場合は30cm)以上」と規定されています。
■ノイズ対策
オフィスの内部に存在するOA機器等の電子機器や電源配線はノイズを発生しており、このノイズが他のOA機器の誤作動を引き起こすことがあります。
例えば、ネットワークを介したシステムが原因不明のエラーを起こしている場合に、電源配線やOA機器からのノイズがLANケーブルに悪影響を及ぼしていたことが原因であるということがあります。この場合、床下の配線の問題であることから、最初の配線時にしっかりと設計し、これに基づいて敷設をすることが重要です。
特にLANケーブルの敷設時には注意が必要で、家庭用の電力線から発生しているノイズの影響を受けないよう、LANケーブルは電力線と別のルートで敷設しなければなりません。同一ルートで敷設せざるを得ない場合には10cmは離しておくべきとされています。また、LANケーブルは可能な限りOA機器から離れたルートで敷設する必要があります。
OAフロアの構造分類で出て来た溝構法のOAフロアでは、コンクリートの溝にルートが整理されており、電力線と通信回線のルート分けが容易で、かつコンクリートに3方を囲まれているためノイズの影響を与えにくく受けにくい点が特徴です。一方、パネル構法のOAフロアでは、床下で配線が移動・密接する可能性があるため、これを予防するためのルート設計と固定をしっかりと行わなければなりません。
パネル構法を採用する場合には、こういった見えない所までしっかりと工事をする業者を選定することが大事になると言ってよいでしょう。
溝構法 置敷式溝配線床等 |
パネル構法 支柱分離型床高調整式OAフロア |
パネル構法 支柱一体型置敷式簡易OAフロア |
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耐荷重 | ◎ | ○ | △ |
床高調整 | × | ◎ | × |
歩行感 | ◎ | ◎ | ○ |
配線容量 | ○ | ◎ | ○ |
配線のし易さ | ◎ | △ | △ |
ノイズ対策 | ◎ | × | △ |
耐火性 | ◎ | ◎ | △ |
耐震性 | ◎ | ◎ | ◎ |
OAフロアそれぞれの用途や耐久性などのメリットとデメリットを考慮し、お客様に最適な物をご提供したいと思います。
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