オフィス移転は、その目的を明らかにしないまま行うと、思わぬトラブルが起きる可能性があるので注意が必要です。
企業がオフィスを移転する目的の事例を参考にしながら、自社がオフィス移転で何を実現したいのかをしっかりと考えましょう。
この記事では、オフィス移転の目的と移転を成功させるポイントのほか、移転事例などを紹介します。
オフィス移転の目的を明確にしたほうがいい理由
オフィス移転の目的を明確にしたほうがいいのは、さまざまなトラブルの原因となる可能性があることが理由です。
例えば、下記のようなトラブルが起きかねません。
《 目的をはっきりさせないまま、オフィス移転を行った場合に起きるトラブル 》
- 生産性の低下 : デザインを最優先にしたことで、社員の動線や使い勝手が悪くなる
- モチベーションの低下 : オフィス移転の意図が伝わらず、社員の納得感が得られない
- 物件選定のミス : 賃料や立地だけで物件を選んだ結果、移転前より手狭になる
- 本業への悪影響 : 移転先の内装や設備に費用をかけすぎて、資金繰りを圧迫する
「何を目的にしてオフィス移転するのか、移転によって何を実現したいのか」を明確にしなければトラブルが起き、移転のメリットよりもデメリットが大きくなる可能性があることに注意してください。
複数の目的がある場合には、優先順位を付けることが重要です。
企業がオフィス移転する目的
一般的に、企業がオフィスを移転するには、いくつかの目的があります。
ここでは、企業がオフィスを移転する目的について解説します。
事業拡大に伴う社員増加
事業拡大に伴う社員増加は、企業がオフィスを移転する目的のひとつに挙げられます。
新たな事業を始めたり、既存の事業が好調だったりして採用人数を増やした結果、社員がこれまでのオフィスに収まらなくなる事態が起こり得ます。
そのような場合には、より広いオフィスに移る必要があるでしょう。
なお、オフィス一人当たりの面積は一般的には1.4坪以上ですが、社員が快適に働くには、3坪以上の確保を目安としてください。
優秀な人材の獲得
企業がオフィスを移転する目的として、優秀な人材の獲得も挙げられるでしょう。
人手不足の昨今、優秀な人材に選ばれる企業になるためには、働きやすくておしゃれなオフィスが不可欠です。
また、ターミナル駅など立地条件が良いオフィスであれば、人材を集めやすくなります。
交通の便が良くない場所に拠点を構えている企業が優秀な人材を獲得したり、長く働いてもらったりするには、オフィスの移転を検討したいところです。
企業ブランディング
企業ブランディングも、企業がオフィスを移転する目的といえます。
企業ブランディングとは、社内外のステークホルダー(利害関係者)に対し、その企業ならではの価値を認知・共感してもらうことです。
具体的には、企業のシンボルともいえるオフィスを、同業界の企業が多く集まる街に移転したり、移転先のオフィスのエントランスや内装にコーポレートカラーを用いたりする方法があります。
「企業らしさ」をオフィス移転で表現することで、取引先や求職者に企業イメージが伝わりやすくなり、信頼感の醸成や採用活動への好影響が期待できるかもしれません。
カーボンニュートラルの実現
脱炭素経営やGX(グリーントランスフォーメーション)に取り組む企業にとってCO2など温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させる「カーボンニュートラル」の実現も、オフィス移転の目的となるでしょう。
具体例として、再生可能エネルギーを導入した環境配慮型オフィスへの移転や、サステナブル素材を使ったオフィス家具の採用などが挙げられます。
カーボンニュートラルに取り組む企業の姿勢は、ステークホルダーに好影響を与えることが期待できます。
生産性やモチベーションアップ
社員の生産性やモチベーションアップは、企業がオフィス移転する目的のひとつです。
広く明るい執務スペースだけでなく、業務に集中できたり、リフレッシュできたりするスペースを設けたオフィスは、社員のモチベーションを上げ、結果的に生産性も向上させるでしょう。
反対に、窓が少なく暗いオフィスや一人当たりのスペースが狭いオフィスは、社員の業務効率を悪化させ、仕事に対するモチベーションを下げてしまうおそれがあります。
ABWなど新しい働き方への対応
企業がオフィスを移転する場合、ABW(Activity Based Working)やハイブリッドワークなど新しい働き方への対応も目的として挙げられるかもしれません。
ABWとは、仕事の内容などに応じてオフィスや自宅など、好きな場所で働くスタイルを指します。
ABWやハイブリッドワークのような新しい働き方を実現するには、オフィス移転を機に、固定席を前提としたレイアウトを見直し、業務内容に応じて使い分けられる多様なワークスペースを整備することが重要です。
出社人数が日によって変動する場合は、実際の利用状況に合わせて、必要な席数やオフィス面積を見直すことも検討するといいでしょう。
コストの節減
企業のオフィス移転には、コストの節減を目的とするケースもあります。
オフィスを維持するためにかかる賃料が安いオフィスビルや、賃料の安い地域に移転することで、大幅な固定費削減が見込めるでしょう。
また、社員のリモートワーク増加などに応じて、移転先オフィスを縮小すれば賃料が下げられます。
高効率の空調設備など省エネ設備を導入しているビルに移転すれば、光熱費も削減できるはずです。
事業・業務の縮小
企業がオフィスを移転する目的は、ポジティブなものばかりではありません。
事業の見直しや財務状況の悪化などに伴い、事業・業務を縮小せざるを得ない場合も移転目的に挙げられます。
とはいえ、以前より小規模なオフィスに移れば、固定費削減により財務状況が改善するメリットもあります。
また、分散していた拠点を集約化することで、業務効率が高い組織に生まれ変わる可能性もあるでしょう。
オフィスビルの老朽化
企業がオフィスを移転する目的として、既存オフィスビルの老朽化も挙げられます。
入居するビルの耐震性の問題や空調・配管設備などのメンテナンス費用高騰によって、新しいオフィスへ移転する必要に迫られるケースも珍しくありません。
ただ、最新のオフィスビルに移転すれば、これまで発生していたメンテナンス費用がかからないだけでなく、清潔で明るいオフィスで働く社員のモチベ―ションが高くなるメリットもあります。
老朽化による移転はデメリットばかりではなく、得られるものも考慮して企業の転換点として前向きに捉えたいところです。
オフィス移転を成功させるポイント
オフィス移転を失敗しないようにするには、いくつかのポイントを押さえたいところです。
ここでは、オフィス移転を成功させるポイントについて解説します。
移転目的を明確化する
まずは前述のとおり、オフィス移転の目的を明確にしましょう。
これは移転先の物件や移転に際して依頼する業者を選ぶために重要なポイントとなります。
移転計画立案の前に、現在のオフィスにどのような課題があるのかを可視化します。
その上で、課題をオフィス移転によってどのように解決するのかという目標を設定してください。
課題が複数ある場合には、優先順位を付けることも大切なポイントです。
オフィス移転担当チームを組織する
オフィス移転を失敗なく行うには、移転プロジェクトを担当するチームを社内で組織するのもポイントといえます。
多くの場合、移転プロジェクトは総務担当の社員だけが担いますが、移転の目的(生産性やモチベーションのアップなど)によっては他の部署からもチームメンバーを選んだほうが、社内のニーズを集めやすくなるでしょう。
なお、業務の都合でチームメンバーを集めるのが難しい場合は、オフィス移転を専門とする外部業者に入ってもらうことも検討してください。
無理のないスケジュールを作成する
オフィス移転を成功させるために、無理のないスケジュールを作成することも忘れないようにしてください。
オフィス移転には、一般に8ヵ月以上かかります。
その際に、具体的で無理のないスケジュールを立てれば、移転はスムーズに進むでしょう。
また、スケジュールは変更やトラブルが起こることを想定し、柔軟性を持たせることも必要です。
なお、書類の提出期限など重要な期限日については、スケジュールに必ず反映させておきたいところです。
必要な作業をリストアップし、チェックリストで管理する
オフィス移転の成功に関しては、漏れのない準備と確実な進捗管理が求められます。
そのため、必要な作業をリストアップし、下記のようなチェックリストを使って管理しましょう。
■ オフィスコムのオフィス移転チェックリストの例
助成金・補助金を利用する
助成金・補助金などを利用して費用を抑えることも、オフィス移転の成功につながるポイントです。
オフィス移転に使える助成金・補助金としては下記のものを参考にしてください。
《 オフィス移転に使える助成金・補助金 》
- IT導入補助金
- 業務改善助成金
- 中小企業新事業進出補助金
- テレワーク促進助成金
なお、補助金や助成金は申請が通っても、新オフィス移転後の支給となる点には注意しましょう。
オフィス移転専門業者に相談・依頼する
オフィス移転プロジェクトを成功させるには、オフィス移転専門業者に相談・依頼するのが最大のポイントです。
なぜなら、オフィス移転にはオフィスデザイン・レイアウトに関する知識だけでなく、物件探しやスケジュール管理のほか、引越しと各種手続きへの対応など、さまざまなノウハウが求められるからです。
オフィス移転トータルサポート会社であるオフィスコムでは、年間施工実績3,000件の実績とプランニング力で、オフィス物件選定からオフィスの内装工事まで、トータルコンサルティングを提供しています。
オフィス移転の流れ
オフィス移転の大まかな流れは、下記のようになっています。
《 オフィス移転の流れ 》
- オフィス移転プロジェクト策定
- 新オフィスの物件選定
- 新オフィスデザイン・設計
- 新オフィス家具の調達
- 新オフィスへの引越し準備 ⇒ 当日の移転作業
- 現オフィスの原状回復工事と明け渡し
通常業務を行いながら、滞りなくオフィスの移転作業を進めるには、一定のノウハウが必要です。信頼できるオフィス移転専門業者と相談しながら、確実に作業を進めましょう。
目的を明確化したオフィス移転の成功事例
はっきりとした目的を持って取り組んだオフィス移転は、実際の事例を見るとイメージが湧きやすくなるはずです。
ここでは、目的を明確化したオフィス移転の成功事例についてご紹介します。
「働く人への惜しみない投資」を体現するシンプルで機能的なオフィスに
社員増加などに伴うさまざまな課題を抱えていたオフィスの移転事例です。「人への投資を惜しまない」という経営方針を体現するため、社員一人ひとりがより働きやすく、快適に過ごせる空間づくりをオフィス移転の目的としました。
具体的には、多様な働き方に応えるゾーニングや、収納を「見せない」設計上の工夫などが挙げられます。
社員の行動変容を促すクリエイティブな空間を実現
新卒採用を意識し、社員への福利厚生の一環としてのオフィスを
新卒者を含めた社員への働きやすいオフィスの提供を目指し、始まったオフィス改修。地元名産のスギなどを積極的にデザインに取り入れ、カフェスペースも新設しました。
新しいオフィスは宮崎出身の社員からの評価が高いだけでなく、取引先に「自社もリノベーションしたい」と思わせるほどの企業ブランディングにもつながっています。
オフィス移転は専門業者に依頼しよう
オフィスの移転は、コスト削減や企業ブランディングのほか、社員の生産性向上に貢献するなど、多くのメリットがあります。
ただし、オフィス移転には明確な目的設定が必要です。
目的を明確化するには、社内でプロジェクト担当チームを結成し、なおかつオフィス移転の専門業者にも相談するのをおすすめします。
お客さまの事業内容や理想のオフィスをヒアリングし、最適なオフィス移転プロジェクトをご提案しているのが、オフィスコムです。
年間施工実績3,000件の確かな実績とプランニング力で、オフィス物件選定からオフィスの内装工事まで、トータルコンサルティングを提供します。
オフィスデザインに関する疑問やお悩みは、どんなことでもお気軽にご相談ください。