ビジネスの意思決定に関わる重要な会議を執り行う会議室は、オフィス空間の中でも特に注力すべきポイントです。
日本オフィス家具協会による「オフィスワーカーから見た、オフィス環境ニーズのトレンド」に関するアンケートでは、「オフィス環境の良し悪しは、仕事の成果をあげることに影響するか」という質問に対し、「そう思う / ややそう思う」と回答したワーカーが約65%にのぼりました。
オフィス環境は、仕事のパフォーマンスに影響を及ぼすと多くの人が考えていることが伺えます。
更に、同調査がヒアリングを行った「共感するオフィス像」には、「仕事をすることが、楽しく感じられるオフィス」や「働きやすいオフィス」と並んで「仕事に集中できるオフィス」が過半数の意見を占めていました。
集中できる会議室を設けオフィス環境を整えることも、仕事の成果向上に対して有効なアプローチだと考えられます。
そこで今回の記事では、仕事で成果を発揮するために必要な「集中できる会議室」をいかに創造するか、レイアウトとデザインの空間的観点からお伝えします。
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オフィス空間における会議室には3つの種類がある
社内の会議やクライアントとの打合せのみならず、講習会や小さなパーティーなど多様な用途のある会議室。会議室をどの用途をメインで使用するかイメージを持ち、デザインやレイアウトを考える必要があります。
自社で用いる会議室は、用途別に「スタンダード」「セミナールーム」「カンファレンスルーム」の3種類に分けることができます。下記の表で詳しく用途を見ていきましょう。
スタンダードタイプ | 一般的に会議や打ち合わせで使用するスペースです。目的・用途別に大小様々な種類があります。最近では、テレビ会議専用の機材が備え付けられているタイプもあります。 ▼ 利用人数目安:少人数 |
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セミナールームタイプ | 研修やプレゼンテーションなどのために、スクリーン等の機材が備わった部屋です。聴講を主な目的として言えるため、全ての席が同じ方向に並んでいるタイプが一般的です。移動式のテーブルや椅子を導入することで、人数やセミナー内容に応じてレイアウトを変更できるデザインが人気となっています。 ▼ 利用人数目安:少人数〜数十人 |
カンファレンスルームタイプ | カンファレンス、展示会、商談会などに使用される部屋です。相互の意見交換や共有がしやすいよう、椅子は円を描くように配置されており、大型スクリーンなどの専門機材が揃っている場合もあります。 ▼ 利用人数目安:少人数 |
- スタンダードタイプ
- セミナールームタイプ
- カンファレンスルームタイプ
このように、自社にとって必要な会議室は、業務内容や打ち合わせニーズによって異なります。社員がより仕事に集中できる空間をデザインするためには、まず自社にとって必要な会議室タイプをしっかりと把握しておきましょう。
『会議スペースのオフィスデザイン事例はこちら』
会議室の目的別に解説!汎用性の高いレイアウト事例7選
では具体的に、「スタンダード」「セミナールーム」「カンファレンスルーム」の3種類の会議室で、社員や来客者の満足度が高い空間を実現するためには、それぞれどのようなレイアウトが適しているのでしょうか。
本章では、下記7つの事例から、用途ごとにこだわるべきポイントをお伝えします。
① スタンダードタイプ会議室【対面形式】
対面形式のスタンダードタイプの会議室は、「3対3」や「6対6」のようにテーブルの両辺に同じ席数が向かい合った最もメジャーなレイアウトです。全員が対等な立場で話しやすく、社内外での幅広い打ち合わせに適しています。
- ▼ 事例紹介
- 使い勝手の良いスタンダードタイプの会議室は、シックなカラーと重厚感のあるインテリアで、来客者にハイクラスな印象を与えることができます。対面形式を基本としながらも、可動間仕切りによって人数や用途に合わせたレイアウト変更も可能です。
参考:株式会社ガーデン様|オフィスデザイン・レイアウト 施工事例
② スタンダードタイプ会議室【コの字形式】
コの字形式のレイアウトは、参加者の議論を即発するために活用されることの多いレイアウトです。自然と身体が向き合う造りになっているため、コミュニケーションの活性化に最適とされています。コの字の空いてる前方スペースにプロジェクターやホワイトボードを置くことができるため、スタンダードタイプの中でも、ディスカッションや報告会議の頻度が高い企業において採用されることが多いでしょう。
- ▼ 事例紹介
- 黒フレームのガラスのパーテーションによって、開放感を残しながらも視線をさえぎる効果を狙い、集中できる空間へ仕上げました。会議室のテーブルには濃木目の優しい色合いを、また椅子にはブラックを掛け合わせることで、落ち着いた雰囲気にまとめています。
参考:一般社団法人 日本抗加齢医学会様|オフィスデザイン・レイアウト 施工事例
③ セミナールームタイプ会議室【シアター形式】
シアター形式のレイアウトは、前方にスクリーンやパネルを設置し、参加者が同方向を向けるよう椅子を並べるスタイルです。多人数のセミナーや研修、上映会などに適しており、効率よく一定数の参加者を収容したい場合におすすめです。テーブルや椅子の数と配置は、セミナー内容によってアレンジ可能です。聴講型セミナーのときは参加人数に十分な椅子を並べたり、ストレッチなどちょっとした動きが伴う場合は配置の感覚を開けてみたりと、様々な工夫をすることができます。
- ▼ 事例紹介
- 講義やコミュニティーなど集える場の提供機会が多い会社様の会議室です。使い勝手の良いプライベートブランドのオフィス家具をお客様と一緒に選定しました。L字型ホワイトボードを壁面設置することによりデッドスペースを無くし、参加者の方が圧迫感を感じずにセミナーの内容に集中できるデザインとなっています。
参考:香りの健康ライブラリー様|オフィスデザイン・レイアウト 施工事例
④ セミナールームタイプ会議室【スクール形式】
スクール形式のレイアウトは、前方に配置された演台を中心にすべての机椅子が演台を向いているスタイルです。司会者や講師が部屋全体を見渡せながら話をすることができ、一方で参加者は机を使ってメモを取ることもできるため、講義型のセミナー会議室に適しています。
- ▼ 事例紹介
- 白と木材を基調としたナチュラルなテイストのセミナールームは、来客者にも明るい印象を与えます。机と椅子は移動が簡単なものを選定しているため、セミナー後のグループワークや懇親会の際のレイアウト変更もスムーズです。
参考:株式会社フェイス様|オフィスデザイン・レイアウト 施工事例
⑤ カンファレンスルームタイプ会議室【ロの字形式】
ロの字形式のレイアウトは、長方形のテーブルの周囲を椅子が口の字型に囲むレイアウトです。死角がなく、参加者の顔をお互いに見渡せるため、重役が揃うカンファレンス仕様のレイアウトでも一般的に使われています。
- ▼ 事例紹介
- 木質のテクスチャがエグゼクティブな雰囲気の内装に仕上げられたカンファレンスルームは、役員クラスのミーティングや取材場所としても最適です。また、ブラインド式のカーテンを取り入れることで、太陽光を調整し明るい室内を演出することができます。
参考:情報システム業様|オフィスデザイン・レイアウト 施工事例
⑥ スタンダードタイプ会議室【正餐(せいさん)形式】
円卓のテーブルを中心として座席を取り囲む形を複数作る形式です。円卓を中心とするため、着座時の距離感が一定となり、親しみや一体感を得やすいため、少人数グループでのディスカッションなどを行う際に利用されます。
- ▼ 事例紹介
- 木目の家具で統一した空間で、円卓のテーブルを利用した正餐形式を取り入れています。グループディスカッションや、休憩など多様なコミュニケーションを生む場になっています。
参考:株式会社CINC様|オフィスデザイン・レイアウト 施工事例
⑦ スタンダードタイプ会議室【島型形式】
島型形式は、別名アイランド形式とも言われます。会議室に複数テーブルを配置し、島ごとにグループを分け、多人数での共同作業やディスカッションを行うのに適した形式です。様々な意見や交流、発表など、規模が大きいコミュニケーションを行うのに適しています。
- ▼ 事例紹介
- 可動式パーテーションで、部屋を区切れるようにしており、広い用途に使用ができる会議室です。全体的な意見交換など、組織や部署を超えたコミュニケーションが図れるため、情報共有がされないなどのマイナス面をカバーできます。
参考:株式会社エーテック様|オフィスデザイン・レイアウト 施工事例
レイアウトだけではなく内装デザインも会議室の印象を左右する
快適な会議室に理想的なレイアウト事例を5つご紹介しましたが、打ち合わせが捗る空間を作るために工夫できることは、決してレイアウト周りのみには限られません。会議室で使用するオフィス家具の形や配置以外にも、内装デザインによって、オフィスの印象は大きく左右されるからです。例えば、壁や床、あるいはインテリアの色味や素材は、理想的な会議室をデザインする際に欠かせない要素です。そこで本章では、会議を円滑に進めるために効果的な内装デザインを見ていきましょう。
レンガの壁紙や観葉植物でおしゃれな会議室に
レンガの壁紙を使用し、会議室内のイス・机をモダンなインテリアを使うことで、海外のカフェのようなおしゃれで、落ち着ける空間に作り上げています。ガラスの間仕切りで会議室を区切ることで開放感を表現するだけでなく、室外に置いてある観葉植物を室内から楽しめるように工夫しています。
会議室に青色を取り入れ安心・信頼させる空間へ
青色には緊張を解き落ち着かせる効果があります。その青色を会議室に使用することでクライアントを安心・信頼させる空間を作ることが可能です。また、重厚感のあるインテリアを置くことで会議室や応接室など幅広く活用できるスペースを創作しました。
木のぬくもりを感じさせる暖かな会議室
床やインテリアを木目で統一することで、ゆとりがありくつろげる会議スペースを作りました。緊張感を感じさせないリラックスできる空間は、コミュニケーションを円滑にすることが可能です。良い会話を生み出す会議室は議論の進行が効率よく進み、内容や理解が深まるでしょう。
会議室の満足度を上げるために考慮したい2つの設備
レイアウトや内装デザインだけでなく、会議室内の設備によっても、従業員やクライアントの満足度を上げることが可能です。最後に従業員満足度や顧客満足度につながる会議室を作るために考慮したい2つの設備をご紹介します。
防音レベルを高め集中できる会議室へ
重要な話し合いが行われる会議室では情報の漏洩を防ぐために防音対策を行う必要があります。会議室外の騒音は会議室内の集中力の低下、会議室内の騒音は作業スペースの作業効率を下げてしまう可能性があります。
会社の信頼度を上げることにもつながる防音対策は「オフィスの防音対策!音漏れの原因と遮音方法について徹底解説」を合わせてご覧ください。
会議室に適した照明を選ぶ
会議室内の照明は、人の顔はっきり確認でき、資料を読む際も支障をきたさない照度(JIS規格では300~750Lx)のものを選びましょう。通常の打合せやプレゼンテーション、講習会など用途に合わせた照明を考慮する必要があります。複数の照明タイプを組み合わせることで、使用用途の広い会議室を作ることができるでしょう。
照明に関する情報は「徹底比較!オフィスの照明選び完全ガイド」を合わせてご覧ください。
まとめ|オフィスの会議室をリニューアルする際のポイント
一口に会議室と言っても、用途や規模によってスタンダードなものから、セミナー、カンファレンスといったように、様々なスペース活用が考えられることがわかりました。快適な会議室は、議論の内容や社内コミュニケーションにおいて、大きな効果をもたらす可能性があります。
会議の参加者の集中力がより高まる環境へとリニューアルするためには、改めて、こちらの3つがポイントとなることを覚えておきましょう。
- 社員が使いやすい機能を設ける
- 来客者が抱くイメージを考え、デザインに反映する
- 使用イメージからレイアウトを想定する
また、会議室のレイアウトを考える際に考慮したいのが、一人当たりの座席幅として、どれくらい必要なのかです。どのような目的で、会議室を利用するかによっても、必要な座席幅は変わってきます。
- セミナールームタイプ会議室では、横幅60cm。
- スタンダードタイプ会議室では、横幅70cm~80cm。
- ゆとりを持たせた場合では、横幅80cm以上。
次は、座席の横幅に合わせて、会議テーブルの大きさを考える必要があります。横幅は、座席数と必要な横幅を参考に必要な面積を出します。奥行きについては、会議室の目的に合わせて選定すると良いでしょう。
- セミナールームタイプなど、対面しない場合は、奥行き45cm~60cm。
- スタンダードタイプ会議室など、対面する場合は、奥行き60cm~90cm。
- ゆとりを持たせた場合は、奥行き90cm~120cm。
資料などを広げる必要がある場合は、奥行きを100cmほどを目安にすると良いでしょう。
紹介した会議室の活用事例を参考に、会議室の利用目的や座席数、広さや環境に応じた新しい会議室をぜひ考えてみてください。
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