働きがいのある会社とは?従業員が幸福を感じる5つの要素を解説

   
働きがいのある会社とは?従業員が幸福を感じる5つの要素を解説

労働人口の減少により新たな人材の確保や、社員一人あたりの生産性の向上が企業の急務となりました。そんな中で注目されているのが、「働きがいのある会社」をどのように作っていくかという問題です。

終身雇用制度が崩壊し、転職が当たり前になってきている時代において、社員が働きやすさとやりがいを感じる職場を作ることによって、社員の定着率の向上や新たな人材の確保を期待することができます。

今回は、働きがいのある会社づくりに関して、社員の幸福度という点から解説していきます。

働きがいのある会社とは、ただ給与が高いだけや福利厚生が充実しているだけではありません。
社員がどのように働き、何を実現したいかなど、個人の幸福にも関わってきます。

様々な研究やデータから、働きがいのある会社とな何なのか、明らかにしていきましょう。

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働きがいのある会社とは?

日本をはじめ世界の働きがいのある会社ランキングを発表し、その実現をサポートする「Great Place to Work® Institute(以下、GPTW)」では、働きがいの定義を「働きやすさ」と「やりがい」の両方が揃っている状態と定義しています。

「働きやすさ」とは、労働時間の短縮や有給休暇の取得向上、報酬水準の引き上げなどの就労条件に関係する「従業員が快適に働き続けられる環境」を指します。一方の「やりがい」とは、仕事の動機づけ、自身の成長感、上司や他人からの承認と関係する「従業員の仕事に対するやる気やモチベーション」を指しています。

そして、この「働きやすさ」と「やりがい」の軸によって、職場を4つにグルーピングしています(表4)。

GPTW 職場4分類

表4 Great Place to Work® Institute Japanより作成

例えばCの「ぬるま湯職場」のグループでは、企業が働きやすさを重視するあまり、社員がやりがいを感じていないといったケースがあります。

政府の進める働き方改革の取り組みによって、多くの企業が「働きやすさ」の軸を伸ばす努力をしています。
しかし同時に横軸の「やりがい」も伸ばさなければ、会社の活性化や成長はありません

行動経済学の権威でもあるデューク大学 ダン・アリエリー教授は「どんな企業においても成長の原動力は従業員の創意工夫である。
企業が停滞している原因は間違いなく従業員の無気力・無関心だ。」と述べています。

働きやすさと同時に、「やりがい」の軸もしっかりと伸ばすことによって、成長への推進力を持ったいきいきとした職場を作ることができるでしょう。

日本企業が社員の働きがいを重視すべき理由

人材コンサルティング会社の「米ギャラップ社」が2017年に世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査によると、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%、「周囲に不満を撒き散らしている無気力な社員」の割合が24%、「やる気のない社員」が70%を超えたという調査結果を公表しています。

これは各国の調査結果と比較しても、日本人が働きがいを感じていないことを示唆しています。

アメリカの心理学者であるマーティン・セリグマン教授の研究では「自分は何をしても、状況は変わらない」という環境に追い込まれると、人は自発的かつ積極的な働きかけを起こさなくなるという傾向(現象)があるとしています(学習性無気力感)。

やる気のない社員が7割を超える日本企業では、優秀で熱意溢れる社員であっても、職場の環境によって、高いパフォーマンスができないケースがあります

世界の企業と戦っていくためにも、日本企業は「働きやすさ」と「やりがい」を感じられる職場に変貌を遂げる必要があるでしょう。

企業のイノベーションは、社員の幸せからもたらされる

幸福感の度合いを研究する矢野 和男氏(株式会社日立製作所)は、著書の中で以下のように述べています。

「幸福な人は、仕事のパフォーマンスが高く、クリエイティブで、収入レベルも高く、結婚の成功率が高く、友達に恵まれ、健康で寿命が長いことが確かめられている。定量的には、幸せな人は、仕事の生産性が平均で37%高く、クリエイティビティは300%も高い。重要なことは、仕事ができる人は成功するので幸せになる、というのではなく、幸せな人は仕事ができるということだ。」(著書「データの見えざる手:ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会」)

企業の成長やイノベーションは、生産性が高くクリエイティビティの高い「幸福な人」からもたらされると言えるでしょう。

社員が幸せだと感じるための要因とは

幸福度の高い人は、クリエイティブで労働生産性も高いという傾向があることをお伝えしましたが、それでは社員が幸福だと感じるためには、どのような要因が必要なのでしょうか。

幸福(ウェルビーイング)をテーマに研究している学問があります。
「ポジティブ心理学(Positive psychology)」や「幸福学(Well-being study)」と呼ばれる分野です。

ここでは、ポジティブ心理学の創始者であるペンシルベニア大学 マーティン・セリグマン教授の提唱する「PERMA」と日本人を対象にした調査によって提唱された慶應義塾大学大学院 前野 隆司教授の「幸せの4因子」をご紹介していきます。

ウェルビーイング 5つの構成要素 PERMA
表1 マーティン・セリグマン教授 「PERMA」
幸せの4因子
表2 前野 隆司教授 「幸せの4因子」

セリグマン教授と前野教授がそれぞれ提唱している要素は、「ポジティブ感情」と「なんとかなる!因子」、「ポジティブな関係性」と「ありがとう!因子」、「意味・意義」と「ありのままに!因子」、「達成」と「やってみよう!因子」と大部分が類似しています。

人が幸せだと感じるには、「前向きであること」「信頼できる人がいること」「自分の目標によって努力すること」「経験によって自信があること」などが大事であると提唱しています

クラスター分析の結果と幸福度・4つの因子

表3 日本人1,500人を対象に幸せの心的要因に関するアンケート・因子分析を実施。
慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科教授 前野 隆司『幸せのメカニズム』より

また、この表は日本人1,500人を対象にしたアンケート調査から幸せの心的要因を分析したグラフです。

グラフをよく見ると、幸せだと感じている「クラスター1」とやや幸せだと感じている「クラスター2」のグループは、「自己実現と成長」「つながりと感謝」の項目において、高い因子得点があることがわかります。

企業においても、社員を前向きにそして積極的にサポートする仕組みや、社員自らに目標を持ってもらうことで、達成し自信に繋げるような仕組み、そして社員が活発にコミュニケーションを取るような組織づくりが必要です。

オフィス環境で社員を幸せにする方法

オフィス環境で社員を幸せにする方法

今までオフィスは「箱」としての機能を果たしてきました。決められた時間に社員が一同にオフィスに集まり、決められたデスクで決められた椅子に座り業務をこなす“場所”でした。

しかし最近は、オフィスの考え方が大きく変わろうとしています。それはオフィスはただの「箱」ではなく、「社員が心身ともにイキイキと働き、一人ひとりが100%の業務パフォーマンスを発揮できるスペース」という「健康経営オフィス」という考え方です。

例えば、社員のストレスがたまらず、お互いがサポートしやすい関係や社員同士の新しい繋がりが生まれるオフィスを作る必要があります。

リフレッシュルーム、マグネットスペース、ハドルスペースなど様々な趣向を凝らしたスペースを作り、それぞれに相応しいオフィス家具を選ぶことで社員のコミュニケーションを促すことができます。

ファミレスのようなハドルスペース

ファミレスのようなハドルスペース。社員のオンオフの切り替えやコミュニケーション促進に役立つ
参考:株式会社オープンハウス本陣営業センター 様|オフィスデザイン・レイアウト 施工事例

上司とのコミュニケーションが増えれば、会社や所属部署の目標を共有し、目標達成に向けた活動を通じて自己実現や成長の機会を得ることができます。

また、同僚とのコミュニケーションが増えれば、互いの信頼関係が築かれ、仲間を喜ばせたい、助けたい、そして感謝するというポジティブな感情が生まれ、より強固な信頼関係性へと発展していきます。

さらに、他部署や他支店とのコミュニケーションは、新しい考え方に触れる機会を増やし、創造性が刺激されてイノベーションのきっかけにもなるでしょう。

オフィス環境はこのように社員が集まる「箱」としてではなく「行動を促す機能」として役割を果たす必要があるでしょう。

働きがいのある会社づくりで社員の「定着率の向上」を目指そう

労働人口の減少や終身雇用制度の崩壊により、新たな人材の確保は難しくなると共に、雇用の流動化が進んでいます。

企業は今いる社員に長く働いてもらうことが非常に重要になります。そのためには、社員がずっと働きたいと思うような「働きがいのある会社」にする必要があります。

魅力的な職場であれば、社員の定着率も向上していきます。
また、社員がイキイキと働いている職場には優秀な人材が集まり、企業はより活性化するでしょう。

GPTWによると、職場で働きがいを感じているミレニアル世代の従業員がその職場における長期的なキャリアプランを立てる割合は、働きがいを感じていない人の20倍に及ぶとされており、「働きがいのある会社」を目指すことは定着率の向上に繋がりそうです

おわりに

ネッツトヨタ南国株式会杜 横田英毅会長(当時)が「私たちは車を売ることを目的とはしていません。
より大切なことは、社員が幸せに働ける会社をつくることです。
そうすればお客様にとっても、自然に満足度の高い会社になるのです。
仕事や職場にやりがいを感じ、所属組織に誇りと喜びを感じている社員は、お客様に心から喜んでもらえるサービスを提供しようと考え、行動するのは自然だからです。」と述べられている文章を読んで深く感動したことからこの記事を書こうと思いました。

私はX世代とミレニアル世代(Y世代)のちょうど中間の年代です。
仕事に対する両世代の価値観を理解できる気がします。
働きがいとはがむしゃらに頑張ることだという固定観念がある一方で、ストレスを溜めずに働いた方が豊かで幸せな人生を送れるのではないかとも思っていました。

横田会長(当時)の言葉はその本質を捉えているようで感銘を受けたのです。
「働きがい」のベクトルは自分に向けられているものだと思っていましたが、実はお客様に向いていたのです。
幸せが故に「働きがい」を感じ、それが喜びとなり、その「幸せ」はお客様に還元されていくという素晴らしい循環を生んでいたのです。

幸せとは決して快楽ではなく、そこには努力も必要だということに気づかされました。
そして努力することを幸せだと実感するためには、目標を達成することの喜びを体験することが必要だと教えられました。

社員の幸せを実現してくれる企業が増えることを祈ってやみません。
そして、オフィスづくりを通じてそのような企業のお手伝いができることを願っております。

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