オフィスを緑化する効果・メリットとは?おすすめの観葉植物と導入のポイントをご紹介

 
オフィスを緑化する効果・メリットとは?おすすめの観葉植物と導入のポイントをご紹介

昨今、オフィス緑化という言葉を耳にする機会が増えました。
「緑」への関心が高まった背景には、社員の心身の不調が業務パフォーマンスや生産性の低下を招いているとして、社員の健康保持・増進が経営課題となっていることがあります。
森林・川・海などの自然の要素に心身を癒す効果があることが科学的に認められています。
オフィスデザインで人気のあるバイオフィリックデザインは、それらの要素を空間のデザインに取り入れることで社員の心身の健康に配慮した労働環境を構築するといった目的があります。
オフィスの緑化はその一要素であり、今からでも取り組みやすい手段でもあります。
本コラムでは、オフィスを緑化する効果やメリットを解説し、さらに導入のポイント、オフィスで育てやすい植物を紹介します。

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オフィス緑化とは?

オフィス緑化とは?

オフィス緑化とは、オフィス空間に観葉植物を取り入れることです。
オフィスでは、エントランスや会議室、執務室、リフレッシュスペースなどに置かれているのをよく見かけますが、観葉植物はインテリアグリーンとしてとても人気があります。
昨今では、色や素材などデザイン豊富な植木鉢や鉢カバー、プランターカバーが取り揃えられるようになりました。
そのようなアイテムを利用することで、手軽におしゃれなオフィスを演出できるため、オフィスデザインの一部として取り入れられています。
また、バイオフィリックデザイン(※)が人気を集めるようになりましたが、植物の持つ「人への良い影響」を期待して観葉植物を積極的に取り入れる企業も多くなっています
観葉植物をエントランスに飾ることで出社した社員や来社したお客様に明るい気持ちになっていただく心理的効果であったり、執務空間内に置くことで仕事で緊張状態にある社員の心身を癒す効果(リラックス・リフレッシュ効果)を狙って飾られます。

※)バイオフィリックデザインとは、「(人間は)生まれつき自然とつながりたいという欲求を持っている」というバイオフィリアの概念を空間デザインに取り入れた手法のこと。

フェイクグリーンとは?

フェイクグリーンとは、本物の観葉植物に似せて作られたもので、人工観葉植物と言われたりもします。
フェイクグリーンのメリットは「管理のしやすさ」です。
作り物のため、葉が枯れて落ちることもありませんし、水やりをする必要もありません。
また、本物の植物の場合、生育に必要な温度や照度の管理が必要になりますが、その必要もありません。
フェイクグリーンの中には光触媒加工を施されているものもあり、消臭・抗菌効果により空気を清潔に保つことができるものもあります。

オフィス緑化の効果・メリット

植物には心身を癒す様々な効果があります。
本章では、オフィスを緑化する効果・メリットについて解説します。

《 オフィスを緑化する効果・メリット 》

  1. ストレスを軽減する
  2. 目の疲労を緩和する
  3. 空気を浄化する
  4. コミュニケーションを活性化する
  5. 企業イメージが良くなる

ストレスを軽減する

ストレスを軽減する

健康な人でもストレスがかかることで一時的に血圧が上がることがあります。
このような現象を「仮面高血圧」と言いますが、私たちに関連するものとして「職場高血圧」があります。
働いている時間帯に血圧が上昇し、職場(仕事)から離れると正常に戻るのが特徴で、仕事中のストレスなどが原因で起こる症状です。
健康診断では正常であるために気づかないことが多く、知らないうちに脳・心疾患リスクを高めているといった怖い症状です。
大事に至らなくとも、ストレスは私たちの心身を傷つけます
継続的に、あるいは強いストレスを受けるような状況に身を置いているのであれば、私たちの体に備わっている「生命維持システム」、ホメオスタシスのバランスが崩れてしまいます。
最悪の場合、心身に不調や疾患が現れてしまうことにもなりかねません。
オフィスでは、業務上のストレスだけでなく、人間関係やオフィス環境(照明・空調・換気・騒音)などのストレス要因がたくさんあります
できるだけストレスを軽減する対策が必要です。

私たち人間は自然に触れることでストレスから回復できることが分かっています
これは科学的にも実証されています。
森の中を15分歩く実験では、(都市部歩行より)ストレスホルモンであるコルチゾール濃度が15.8%低下、ストレス時に高まる交感神経活動は19.4%低下、リラックス時に高まる副交感神経活動が102%亢進を示し、森林がストレス軽減に効果があることが分かりました(※1)
また、自然の風景のスライドと無機質なビルが並ぶ都会のスライドを被験者に見せた実験では、都会のスライドを見ている時よりも自然の風景のスライドを見た時の方がα(アルファ)波が優位に高まることが分かりました(※2)
α(アルファ)波は、落ち着いている時やリラックスしている時など精神が安定している時に優位となる脳波です。
リラックスしている時には、心拍数や血圧は安定し、筋肉の緊張もほぐれている状態になります。

オフィス内に森を再現することは難しいですが、観葉植物を設置した場合どれくらいの量を設置すればストレスを緩和する効果があるのでしょうか、その目安となる量はあるのでしょうか。
その指標となるのが「緑視率」です。
緑視率とは、人の視界に占める緑(植物)の割合のことですが、緑視率が3.1%でストレス緩和効果が最大になったという報告があります(※3)
実際にストレス緩和における効果的な緑視率についてはいくつも報告があります。
オフィス内の温度・湿度・照度・騒音・二酸化炭素量の条件、年齢や性別によっても効果は変わるので数値については目安として捉えると良いでしょう。

※1)木と人の関係 ー サイエンスの視点から 第8回「森林セラピーの効果」 座観(15分間)の実験では、コルチゾール濃度が13.4%低下、交感神経活動は18.0%低下、副交感神経活動が56.1%亢進を示しました。
※2)Roger S. Ulrich. 1986 Human responses to vegetation and landscapes
※3)動視野(頭部を固定し眼球を自由に回転した時に見える範囲)に対する緑化の割合。
橋本 幸博,鳥海 吉弘. 2014 被験者実験による模擬執務空間の最適な緑視率の検討 日本建築学会計画系論文集

目の疲労を緩和する

目の疲労を緩和する

VDT(Visual display terminal)症候群という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
VDT症候群とは、パソコンやスマートフォンなどのディスプレイを長時間見続けることが原因で生じる目の疲れや心身不調のことを言います。
実際に多くの方が、目の疲れ、かすみ、乾き、痛みといった症状を感じているのではないでしょうか。
オフィスで働く3人に1人がドライアイに悩まされていると言われています。
今やオフィス業務の多くがパソコンを使用しますし、仕事以外の時間にもスマートフォンを使用する時間が多く、VDT症候群は現代人の誰もがかかりうる病気だと言えます。
植物は目の疲労を緩和するのに効果的です
観葉植物が目の疲労を緩和するという効果は「色彩の生理的影響」と「植物の生理的機能」の二つの側面から見ることができます。

まず、「色彩の生理的影響」ですが、ある実験(※1)で、葉の「緑色」を見た時に、β(ベータ)波の発生量が後頭部で減少することが分かりました。
β(ベータ)波は、イライラしている時や緊張している時など、ストレスがかかっている時に出現する脳波ですが、緑色は他の色(※2)に比べ視覚的刺激が少ない色だと考えられています(※3)
つまり、目の負担を軽減することが期待できるのです。
確かに私たちは緑色には「安らぎ・癒し・穏やか」などといった印象を持っています。
これがその理由かもしれません。

次に「植物の生理的機能」について見てみたいと思います。
植物の働きに「蒸散」という機能があります。
蒸散とは、植物の体から水が水蒸気として出ていくことを言います。
観葉植物は「天然の加湿器」とも言われますが、この機能がその所以でしょう。
蒸散は、気温(室温)が高い、湿度が低いといった環境条件によって盛んに行われます。
従って、室内が乾燥すれば湿度を上げてくれるため、ドライアイの予防効果が期待できます

※1)金 恩一,藤井 英二郎. 1995 植物の色彩の生理・心理的効果に関する基礎的研究 ランドスケープ研究 58巻5号
※2)ペチュニア6品種(紫、赤、ピンク、サーモンピンク、黄、白)と花のないペチュニアそれぞれの鉢物を使って実験を行った。
後頭部には視覚野があることから、そこでβ(ベータ)波の発生量が多い場合には視覚的処理が盛んであるものと考えられるが、花のないペチュニアを見た時にはβ(ベータ)波の発生量が少なかった。
※3)後頭部には視覚野があることから、そこでβ(ベータ)波の発生量が多い場合には視覚的処理が盛んであるものと考えられていますが、緑色の葉を見た時にβ(ベータ)波の発生量が少なかったことから視覚的刺激が少ないと考えられる。

空気を浄化する

空気を浄化する

まず、植物が二酸化炭素を吸収して酸素を放出することは周知の事でしょう。
これは、「光合成」という植物のはたらきですが、観葉植物をオフィス内に置くことで室内の二酸化炭素量を減らすことが期待できます
オフィス内はたくさんの人が働いています。
人口密度が高いほど室内の二酸化炭素濃度も上がります。
建築物衛生法やビル衛生管理法では、(オフィス内の)空気環境におけるCO2濃度を1000ppm以下に抑えるよう定められています。
CO2濃度が1000ppmを超えてくると軽い眠気が生じたり、さらに高くなると、頭痛、倦怠感といった症状が現れるなど健康に悪影響を及ぼすことがあるためです。
これらの症状は、思考力や集中力の低下など、業務パフォーマンスや生産性を落とすことにもなります(※1)
コロナ禍で室内のCO2濃度をチェックする習慣が定着したと思いますが、快適なオフィス環境を整えるためにも、今後も継続していくことをおすすめします。

植物は二酸化炭素濃度を下げるだけでなく空気中を浮遊する有害物質(ベンゼン・トリクロロエチレン・ホルムアルデヒド)を除去する効果があることがNASA(国立航空宇宙局)の実験で実証されています(※2)
その中でも空気を浄化する効果に優れた品種のことを「エコ・プラント」と呼び、この実験に関わったNASAの主任研究員 B.C ウォルバートン博士は自身の著作(※3)の中で空気をきれいにする50種類の観葉植物(※4)としてリストアップしています。

また、植物(※5)にオゾン(O3)を除去する効果があることを実証した実験もあります(※6)
この実験では、ゴールデンポトスが最も高い堆積速度値を持つ植物であることを示しました。
オフィスにあるコピー機やレーザープリンターなどの事務機器からは微量のオゾン(O3)が発生しています。
オゾン(O3)を吸収する作用のあるゴールデンポトスを事務機器の周辺に置くのもおすすめです。

※1)米 ローレンス・バークレー国立研究所とニューヨーク州立大学の研究によると、室内の二酸化炭素濃度が2500ppm以上の環境で2.5時間暴露されると意思決定能力が大幅に低下することが分かった。 Is CO2 an Indoor Pollutant? Direct Effects of Low-to-Moderate CO2 Concentrations on Human Decision-Making Performance. Environmental Health Perspectives Volume. 120, Issue 12
※2)B.C.Wolverton, WL.Douglas, K.Bounds. A Study of Interior Landscape Plants for Indoor Air Pollution Abatement.
※3)B.C.Wolverton. How to Grow Fresh Air: 50 Houseplants That Purify Your Office.
※5)実験では、ピースリリー、フィカス、カラシア、ディフェンバキア、ゴールデンポトスの5種類の植物を使っている。
※6)Omed A. Abbass. 2017 Effectiveness of indoor plants for passive removal of indoor ozone. Building and Environment

コミュニケーションを活性化する

コミュニケーションを活性化する

森林や自然の風景にストレス軽減効果やリラックス効果があることはすでに紹介しました。
オフィス緑化は、この「自然の効果」をオフィスに取り入れることで社員の心身の緊張やストレスをやわらげることを期待するものですが、それだけでなく、社員のコミュニケーションが活性化する効果も期待できます。

心身がリラックスしていると、笑顔になれたり、物事をポジティブに捉えたり、あるいは、他者のことを気遣う心の余裕が生まれたりしますが、逆にイライラしていると、怒った表情になりがちですし、不平不満を漏らしたり、口調がきつくなることもあるでしょう。
このような情動は人から人へと伝染していってしまう性質があります(※)
困ったことに、ポジティブな感情よりもネガティブな感情の方が人から人へと伝染しやすく、ストレスを感じている人を見ただけで自身のストレスホルモンであるコルチゾールのレベルが高まってしまうそうです。

もし、貴社の社員がオフィスでストレスを感じながら仕事をしているようであればすぐにでも改善策を講じる必要があるでしょう。
逆に、貴社の社員がポジティブな感情で仕事ができていれば、その感情もまた人から人へと伝播していきます
そのような社員が増えていくことで社員同士の関係は良好になり、社内コミュニケーションが活性化されていくことが期待できますし、さらに、人と人が繋がることで新しいアイデアが生まれやすくなり、イノベーションの促進に繋がるといった好循環が生まれます。

※)神経細胞のひとつで共感細胞と呼ばれるミラーニューロンというものがあります。他者の行動を見て自分も同じような行動をとっているかのように、”鏡”のような反応をする脳の神経細胞のことです。映画やドラマで登場人物が涙を流しているのを見ていて自分ももらい泣きしてしまうといった体験をしたことがあると思いますが、この現象にはミラーニューロンの働きが関与していると言われています。

企業イメージが良くなる

企業イメージが良くなる

オフィスを緑化する心理的効果は大きいようです。
アメリカのコンサルティング会社(※1)が「オフィス環境におけるバイオフィリックデザインの効果」について、世界16か国 7,600人のワーカーを対象に行った調査があります。
この調査では、オフィスに足を踏み入れた時に、緑化された空間がオフィス内にある場合と、そうでない場合とで、ワーカーの感じ方に違いがあるかを調べました。
結果は、前者の方がはるかに「幸せ」と「やる気」を感じるということが明らかになりました
逆に、緑がないオフィスに足を踏み入れると、「不安」や「退屈」を感じたということです。

ポジティブな印象を与えるオフィスは、社員だけでなく、来社されるお客様や取引先の方、企業訪問される学生、面接に訪れる方などがその企業に対して良いイメージを抱くようになります。
従業員・顧客満足度や優秀な人材を確保しやすくなるといったメリットがあります。

※1)ロバートソン・クーパー社『Human Spaces: 世界中の職場における、バイオフィリックデザインが与える影響』

緑化によるデメリットはあるのか?

オフィスを緑化するデメリットはこれといってありませんが、あえて挙げると、観葉植物は生き物であるために「管理面」においてデメリットとなる可能性があるということです。
ここでは、オフィスを緑化するデメリットについて3点挙げておきたいと思います。

一つ目は、観葉植物は世話が必要だということです。
植物は生き物ですから水をやらないと枯れてしまったり、害虫が発生してしまいます。
また、葉が落ちれば片付けも必要になります。

二つ目は、温度管理です。
植物は光をエネルギーとして育ちます。
植物によって生育に必要な明るさに違いがあるため、その植物に適切な温度管理が必要になります。
窓から差し込む太陽の光では強すぎて枯れてしまったり、逆に室内の照明だけでは生育に必要な光を確保できずに枯れてしまったということもあります。
オフィス環境では育てにくい植物を選んでしまうと管理が大変になります。

三つ目は、スペース(場所)をとるということです。
観葉植物には15cmの小型から2mもある大型までサイズは様々です。
スペースに対して量が多すぎると圧迫感や鬱陶しさを感じたり、業務の邪魔になることもあります。
適度な量と設置場所に配慮することが重要です。

オフィスグリーンを導入する3つのポイント

オフィスグリーンを導入する3つのポイント

オフィスを緑化するデメリットについて3点挙げましたが、ここではオフィス緑化を計画する際の3つのポイントについて解説したいと思います。

① 管理がしやすい植物を選ぶ

美しい観葉植物が飾られたオフィスは、訪れた人に洗練された企業イメージを抱かせることでしょう。
しかし、オフィスという生育条件が制限された環境下では、植物の管理にどれだけの時間と予算をかけられるかといった「管理条件」を考え、その条件に見合った植物を採用しなければなりません。
植物は、種類によって水やりの頻度、日当たり、最適な室温などに違いがあります。
オフィスにおいては、「乾燥に強い、寒さに強い、日陰でも育つ」といった生育条件が厳しくない植物がおすすめです。

【耐乾性】 乾燥に強い観葉植物

乾燥に強い植物は水やりの頻度が少なく済むため、ゴールデンウィークや年末年始などの長期休暇で出社できない状況でも育てやすいといったメリットがあります。
水やりをするタイミングは、基本的には土が乾いて白っぽくなったとき、葉に張りがなくなってきたときです。
特に乾燥する冬場は、土がカラカラに乾いてからさらに数日置いて水やりをするくらいがちょうど良い頻度です。
また、霧吹きなどで葉に水をかけてあげると病害虫の予防にもなります。
しかし、やり過ぎるとカビやウイルスが繁殖する原因となるため注意が必要です。
植物の周辺を潤すくらいがちょうど良いでしょう。

《 乾燥に強い観葉植物 》

アイビー【ヘデラ・ヘリックス】(土が乾いたらたっぷり/冬場は土が乾いてから2~3日後)、オーガスタ(土が乾いたらたっぷり/冬場は土が乾いてから2~3日後)、ガジュマル(土が乾いたらたっぷり/冬場は土が乾いてから2~3日後)、カポック(土が乾いたらたっぷり/冬場は土が乾いてから2~3日後)、サンスベリア(土が乾いたらたっぷり/冬場は月1回程度)、トックリラン(土が乾いたらたっぷり/冬場は土が乾いてから2~3日後)、ドラセナ・マッサンゲアナ(土が乾いたらたっぷり/冬場は土が乾いてから3~4日後)、パキラ(週1回程度/冬場は土が乾いてから2~3日後)、ペペロミア(土が乾いたらたっぷり)、ポトス(土が乾いたらたっぷり/冬場は土が乾いてから2~3日後)、モンステラ(土が乾いたらたっぷり/冬場は土が乾いてから2~3日後)、ユッカ(土が乾いたらたっぷり/冬場は土が乾いてから4日後)
※()内は水やり頻度の目安です。

【耐寒性】 寒さに強い観葉植物

品種によって違いますが、観葉植物の耐寒温度は通常10℃前後です。
寒さに強い品種であれば5℃〜3℃くらいまで耐えられるものもありますが、中には氷点下まで耐えられる強い品種もあります。
耐寒性のある観葉植物であるかどうか見分け方としては、その植物の原産地や自生している場所を調べ、その植物がどのような気候を好むのかを確認してみるのも一つの方法です。

《 寒さに強い観葉植物 》

アイビー【ヘデラ・ヘリックス】(0℃)、インドゴムノキ(3~5℃)、オーガスタ(5℃)、オリズルラン(5℃)、オリーブ(マイナス3~5℃)、ガジュマル(0~5℃)、ゴールド・クレスト(0℃)、シェフレラ【カポック】(0~3℃)、ソテツ(5℃)トックリラン(3℃)、ドラセナ・マッサンゲアナ(5℃)、パキラ(5℃)、ポトス(5℃)、モンステラ(5℃)、ユッカ(5℃)
※()内は耐寒温度の目安です。

【耐陰性】 日陰でも育つ観葉植物

植物が育つ条件は「光・空気・水」です(※1)
空気と水を与えることはできても、生育に必要となる十分な光をオフィスの中で確保するのはなかなか難しいかもしれません。
植物によって生育に必要な光の強さが違うためです。
(設置したい)植物の最低生育照度係数(※2)を確認し、生育できる明るさが確保できるかを確認する必要があります。
足りない場合は植物育成用LED照明で補う方法もありますが、日陰でも育つ耐陰性のある植物を選ぶことで負担なく育てることができます。
ここでは最低生育照度係数が500luxの観葉植物を紹介します。
JIS(日本工業規格)の照度基準では、作業内容や空間の用途に応じて推奨照度を定めています。
オフィスであれば、事務室は750lux、会議室は500luxと定められています。
筆者のオフィス(執務スペース)(※3)では、蛍光灯付近の照度lux(床上100cmくらい)は、300〜500lux、窓際であれば1500〜2000lux程度ありました。
快適な視環境を確保しているオフィスであれば、必要な光は確保できていると言えます。
ただし、外光が入ってこない、壁の色が暗いなどといったオフィスの場合では照度luxも違ってきます。
貴社のオフィスでも照度計などを使って計ってみることをおすすめします。

《 日陰でも育つ観葉植物 》

ポトス(500lux)、スパティフィラム(500lux)、モンステラ(500lux)、ドラセナ・マッサンゲアナ(500lux)
※()内は最低育成照度係数

※1)観葉植物を育てるには、適切な温度管理と養分となる肥料を与えることも必要です。
※2)光補償点(見かけ上CO2の出入りがゼロの光の強さ)より少し明るい光の強さ(照度lux)
※3)9月の晴れた日の午前中に照度計アプリにて計測。執務スペースは外光が入ってくる環境です。外光が入ってこないエントランスは220lux程度でした。

② 設置場所に配慮する

観葉植物は「飾り方」によっても空間をおしゃれに演出することができます。
オフィスでは、床に直接置く床置きをはじめ、テーブルやデスク、キャビネットなどへの設置、壁掛け、吊り下げ(ハンギング)などがよく取られる手法です。
しかし、かっこよく飾ることばかりに気を取られ、オフィスで働く人への配慮を忘れてしまっては元も子もありません。
(観葉植物を)どこに置いたら、そこで働く人が快適に働けるのかを考えて設置することが重要です。
動線の邪魔をする位置に置いた場合、業務の妨げになるだけでなく怪我につながることにもなりかねません。
また頭上から枯れた植物が垂れ下がっていたり、作業スペースを邪魔するほどの植物がデスクやテーブルの上に置かれていれば、業務パフォーマンスを落とすことになります。
おしゃれでいて、快適なオフィスにするためにも、観葉植物を置く場所にまで気を配りたいものです。

③ 予算を決める - オフィス緑化にかかる費用

オフィス緑化にかかる費用がどれくらいなのか気になるところだと思います。
大体の予算を決められるように、(オフィス緑化にかかる)費用の相場について解説したいと思います。

オフィス緑化に必要な費用は、①設置する植物の種類・数・設置面積、②購入かレンタルか、③メンテナンスの有無 によって違ってきます
観葉植物をオフィスに置く場合、設置する植物の種類と数、及び設置面積を計算しなければなりません。
また、植物の設置場所や設置する種類、(設置する)植物の高さやデコレーションの仕方、あるいは空間に合わせたコーディネートなどについても決める必要があります。
観葉植物はお店やネットで購入することができますが、この場合、購入する植物の種類から数量、コーディネートまで基本的には自分たちで決めなければなりませんし、購入後のメンテナンスも自分たちですることになります。
また、購入した観葉植物の入れ替えや処分をしたい場合にも自分たちで対応しなければなりません。
その手間やコストを考えればレンタルの方がメリットがあるかもしれません。

レンタルであれば毎月費用が発生しますが、業者に依頼すればお客様の希望の植物やイメージ、予算などをヒアリングし、コーディネートから設置までしてもらえます。
契約内容にもよりますが、2週間〜数か月に一度の頻度でメンテナンス(※)をしてくれるため、いつも美しい状態を保つことができます。
レンタル料金は大鉢(150〜170cm程度)2鉢で月額5,000円くらいです。
メンテナンスなしというプランを提示している業者もありますが、一般的にはメンテナンス料が含まれています。
そのほか、アレンジメントであったりグリーン(観葉植物)を使った空間コーディネートを得意とする業者もあります。
その場合は別途技術料がかかります。

※)水やり、葉の清掃・枯れ葉除去、鉢カバーの清掃、追肥、害虫予防・病気対策、植物の交換 など。

オフィスにおすすめの観葉植物3選

オフィスにおすすめの観葉植物3選

オフィスにおすすめの観葉植物を3つご紹介します。
先ほど、オフィス緑化を計画する際のポイントとして生育条件(乾燥に強い、寒さに強い、日陰に強い)が厳しくない植物を選ぶことをおすすめしました。
ここでは、この3つの生育条件を満たす観葉植物をご紹介します。

ポトス

ポトス
耐乾性 / 耐寒性 / 耐暑性 / 耐陰性 〇 / 最低耐寒温度5℃(オフィスなら〇)/ 〇 / 〇
※ 設置条件:室内
最低照度係数(必要照度) 500lux
水やり頻度 春夏:土が乾いたら鉢底から水が流れるまでたっぷり
秋冬:土が乾いてから2~3日後、冬は1~2か月に一度程度
置き場所 風通しの良い場所(エアコンの風が直接当たるような場所はNG)。明るい場所を好むが、直射日光は避ける。
草丈 ・ 樹高 10 ~ 150cmくらい
花言葉 「永遠の富」「華やかな明るさ」「長い幸せ」金運を上げてくれると言われ、企業のロビーやエントランスに飾られたりする。

ポトスは最もポピュラーな観葉植物ではないでしょうか。
鮮やかなグリーンにマーブル模様が特徴の葉は、部屋の雰囲気を明るい印象にしてくれます。
デスクやキャビネットなどの上に置くほか、天井などから吊るしてもとてもおしゃれに空間を演出することができます。
ポトスの種類は数十種類あるとされており、メジャーなものですとゴールデンポトス、ポトスライム、ポトスマーブルクイーンなどがあります。
とても育てやすいこともあり観葉植物を初めて育てるという方にも人気です。
ポトスの原産地はソロモン諸島や東南アジアの亜熱帯と熱帯雨林地域のため高温多湿に強い性質を持っています。
置く場所は、直射日光を避けた明るい場所が適しています。
ポトスはオフィスでも育てやすい観葉植物です。

ドラセナ・マッサンゲアナ : 幸福の木

ドラセナ・マッサンゲアナ:幸福の木
耐乾性 / 耐寒性 / 耐暑性 / 耐陰性 〇 / 最低耐寒温度5℃(オフィスなら〇)/ 〇 / 〇
※ 設置条件:室内
最低照度係数(必要照度) 500lux
水やり頻度 春夏:土が乾いたら鉢底から水が流れるまでたっぷり
秋冬:土が乾いてから3〜4日後、最低気温が15度を下回りだしたら水やりを控えめにしていく。
置き場所 風通しの良い場所(エアコンの風が直接当たるような場所はNG)。明るい場所を好むが、直射日光は避ける。
草丈 ・ 樹高 30cm ~ 5mくらい
花言葉 別名「幸福の木」と呼ばれ、ドラセナの花言葉は「幸福」。「永遠の愛」「隠しきれない幸せ」

ツヤがあって濃緑のシュッとした葉が特徴のドラセナですが、「幸福の木」とも呼ばれています。
ハワイでは家の前にドラセナを置くと幸せが訪れると言い伝えられているそうです。
日本でも新築祝いや開店祝いなどの贈答品として人気がある縁起の良い木として知られています。
会社ではエントランスによく飾られているのを見かけると思います。
熱帯アフリカや熱帯アジアといった亜熱帯地域原産の植物で、耐暑性・耐湿性に優れていますが、直射日光を浴びるような場所に置いてしまうと葉焼けの原因になるため窓際から離れた場所に置くか、カーテンやブラインド越しに置くようにします。

モンステラ

モンステラ
耐乾性 / 耐寒性 / 耐暑性 / 耐陰性 〇 / 最低耐寒温度5℃(オフィスなら〇) / 〇 / 〇
※ 設置条件:室内
最低照度係数(必要照度) 500lux
水やり頻度 春夏:土が乾いたら鉢底から水が流れるまでたっぷり
秋冬:土が乾いてから2〜3日後
置き場所 風通しの良い場所(エアコンの風が直接当たるような場所はNG)。明るい場所を好むが、直射日光は避ける。
草丈 ・ 樹高 30cm ~ 2mくらい
花言葉 「嬉しい便り」「壮大な計画」

切れ込みの入った大きな葉が特徴的でトロピカルな印象を受ける植物です。
常緑性の植物のため一年中楽しむことができますのでオフィスに置く植物としておすすめです。
熱帯アメリカ原産の植物で、ジャングルの中に生息するため、耐陰性、耐湿性に優れています。
半面、耐寒性は良くないのでは?と心配されるかもしれませんが、最低育成温度の目安は5〜0℃程度のため室内であれば問題ないでしょう。

まとめ|オフィス緑化の意義は組織を活性化すること ー 自然には社員の幸せとやる気を伝播させるチカラがある

オフィスを緑化するメリットや効果について解説してきました。
植物には、ストレスや眼精疲労の軽減のような心身の不調を緩和・改善する効果があることがさまざまな研究によって実証されています。
私たちは、心身の緊張やストレスをやわらげることにより、心にゆとりが生まれたり、ポジティブな気持ちになったりしますが、このような気持ちの変化は人から人へと伝播していき、周りの人々に良い影響を与えていきます。
本コンテンツでもご紹介しましたが、実際にアメリカのコンサルティング会社の調査では、緑化されたオフィスはワーカーに「幸せ」と「やる気」を感じさせるということが示されています。
幸せでやる気のある社員が増えることで、社員同士のコミュニケーションが活発になり新しいアイデアやイノベーションが生まれやすい環境を築くことができます。
オフィスを緑化する意義は、植物の持つ「人への良い影響」すなわち、自然のチカラを組織の活性化に役立てることにあります。

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