オフィスの執務室とは？必要な機能とレイアウトのポイント・事例

オフィスの執務室は、社員が日々の業務を行うためのオフィスの核となるスペースです。
執務室に求められる機能を十分満たさなければ、社員の生産性やモチベーションが低下しかねません。
レイアウトのポイントをしっかりと押さえ、社員が出社したくなる執務室を実現させましょう。

この記事では、オフィスの執務室に求められる機能とレイアウトのポイントのほか、執務室のレイアウト事例についてご紹介します。

オフィスの執務室とは？

オフィスの執務室は「執務スペース」や「ワークスペース」とも呼ばれ、社員が日常的な業務を行うための、オフィスの中心的なスペースを指します。
執務室には、社員の個人用デスクや椅子のほか、オフィス複合機、収納用のオフィス什器が設置されています。
ちなみに、オフィスの執務室には、会議室や応接室などの個室空間は含まないのが一般的です。

執務室は、社員がオフィスにおいて長時間過ごす空間のため、社員の働きやすさやコミュニケーションの取りやすさが求められます。
また、おしゃれなデザインのオフィス設計・施工によって、社員の仕事へのモチベーションや会社に対する帰属意識が高まることも注目すべきでしょう。

なお、よく似た言葉に「事務室」がありますが、執務室との明確な差異はありません。
オフィスにおいては事務作業を行うスペースを執務室と呼ぶことが多く、同一の言葉と考えて問題ないといえます。

オフィスの執務室に求められる機能

オフィスの執務室には、どのような機能が必要なのでしょうか。
ここでは、オフィスの執務室に求められる機能について解説します。

集中して作業できる

社員が集中して業務に取り組めることも、オフィスの執務室に求められる機能といえます。
通常のデスクだけでなく、間仕切りなどを設けて集中可能な空間を別途構築することも求められます。

具体的には、パーテーションで仕切られた集中スペースを執務室内に設けたり、天井まで壁で覆われた個室ブースを設置したりすることで、社員の集中力を発揮する環境を整備できるでしょう。

集まってコミュニケーションができる

オフィスの執務室にとって必要な機能が、社員が集まってコミュニケーションできることです。
テレワークでは実現できないリアルな場でのコミュニケーションが、オフィスの執務室では期待できます。

執務室におけるコミュニケーション活性化のためには、社員の席を固定しないフリーアドレス制を導入したり、社員が集まりやすいリフレッシュスペースを設けたりすることが効果的です。

リフレッシュできる

オフィスの執務室に求められる機能として、社員がリフレッシュできることも挙げられます。
長時間滞在する空間には、息抜きできる場所も必要だからです。

近年のオフィスの執務室には、リフレッシュスペースが設けられることが多くなっています。
リフレッシュスペースは単なる休憩室ではなく、ちょっとしたミーティングやアイデア出しの場所として活用可能です。

リフレッシュスペースの構築の際には、社員が通りやすい場所に設置したり、執務室にあるオフィス家具とは異なる色合いや素材のものを置いたりするのがおすすめです。

Web会議ができる

オフィスの執務室に求められる機能として、Web会議が可能なことも挙げられるでしょう。
コロナ禍以降、テレワーク中の社員や取引先などと、Web会議を行う機会が増えました。
しかし、間仕切りのない執務室の自席でWeb会議を行うと、話し声が周囲の業務の妨げになることがあります。

そのため、Web会議にも対応できる個室ブースを執務室内に設置することで、当事者が安心してWeb会議に参加できます。
また、周囲の社員も騒音の問題から解放され、互いに生産性が向上するはずです。

執務室のレイアウト

オフィスの執務室と一口に言っても、さまざまなレイアウトがあります。
ここでは、オフィスの執務室の主なレイアウトについて解説します。

対向式レイアウト

執務室の対向式レイアウトは、社員のデスクを向かい合わせに配置するもので、「島」のようにブロックを作ることから「島形レイアウト」などとも呼ばれています。

対向式レイアウトは部署やチーム単位でのコミュニケーションが取りやすいメリットがあり、従来型のオフィスに多く見られます。
ただ、やりとりがしやすい反面、個人が集中して作業に取り組みにくいというデメリットもあります。

同向式レイアウト

同向式レイアウトは、社員のデスクを対面させず、同じ方向に向けて配置するレイアウトで、業務に高い集中力が求められる銀行やコールセンターなどで多く見られます。

学校の教室のレイアウトと同じなので「スクール式」「並列式」と呼ばれることもあります。
作業に集中して取り組みやすいものの、他の社員とのコミュニケーションは取りづらいのが、同向式のデメリットといえるでしょう。

背面式レイアウト

オフィスにおける執務室のレイアウトの種類として、背面式レイアウトもそのひとつに挙げられます。
これは、デスクを互いの背中合わせで配置する方式です。

社員同士が向かい合うことがないので気が散る要素が少なく、自分の業務に集中できるのはメリットといえるでしょう。
また、振り向けば社員とのコミュニケーションも可能です。
ただし、背後から業務内容を覗き見されるおそれはあり、秘匿性の高い業務には不向きといえるかもしれません。

オフィスの執務室のレイアウトのポイント

オフィスの執務室について、どのようなレイアウトにすればいいのか、考えるほど判断に迷うかもしれません。
ここでは、オフィスの執務室におけるレイアウトのポイントについて解説します。

目的・コンセプトを明確にする

自社のオフィスの執務室で大切にしたいことは何か、解決したい課題は何かといった目的を明確に定めることが、レイアウトのポイントです。

また、オフィスのコンセプトを明確に設定しましょう。
コンセプトを定めることで、デザインやレイアウトの方向性を絞り込むことができます。
また、明確なコンセプトを持った執務室は発信力が高いため、社外に対する企業ブランディングの面でも効果を発揮するはずです。

動線を意識しながらデスクやオフィス家具を選定・配置する

社員の動線を意識しながら、デスク・椅子やオフィス家具を選んだり配置したりするのも、執務室のレイアウトのポイントです。
いかにおしゃれにデザインしても、通路幅が狭くて移動しにくい執務室では、日々働く社員のストレスは溜まってしまうでしょう。

具体的には、通路幅が1,600mm以上のメイン通路を確保し、自社の業務内容などを考えて適切なサイズのデスクを選定するといったことが挙げられます。
その上で、デザイン性と機能性を高度にバランスできるようにオフィス家具を選ぶのがポイントです。

コーポレートカラーを取り入れる

コーポレートカラーを取り入れるのも、近年の執務室のレイアウトのポイントです。
コーポレートカラーを各所に配した執務室によって、企業ブランディングの効果が期待できます。

具体的には、オフィス家具や壁・パーテーションなどにアクセントとしてコーポレートカラーを取り入れましょう。
広範囲に取り入れすぎると、色味によっては圧迫感を与えかねないので、さじ加減に注意してください。

オフィスグリーンを配置して快適性を高める

観葉植物などのオフィスグリーンの緑色は、リラックス効果や目の疲れを緩和する効果があるので、オフィスの執務室においても効果的にレイアウトしたいところです。
また、オフィスグリーンは執務室を緩やかに間仕切りする機能も兼ね備えている点にも注目です。

ただし、たくさん配置しすぎて動線の妨げになったり、メンテナンスコストがかかりすぎたりしないように注意しましょう。

オフィスの執務室のレイアウト事例

オフィスの執務室は、実際のレイアウトを見てみるとイメージがつきやすくなります。
最後に、オフィスコムが手掛けたオフィスの執務室のレイアウト事例をご紹介します。

リニューアルのコンセプトは「エコ」、木目調のデザインで統一

太陽光発電システムメーカーのオフィスにふさわしく、リニューアルのコンセプトを「エコ」に定めた事例です。
木目調の床材に加え、デスク・椅子やロッカー、キャビネットなどのオフィス家具をナチュラルブラウンで統一し、温かみのある執務室を実現しています。
また、ガラスパーテーションを採用して開放感のある空間に仕立てているのも特徴です。

省スペースでも動線設計を工夫すれば利便性の高いオフィスが実現

省スペースな空間でも、お客様を迎え入れる会議室を中心とした、スムーズな回遊動線を実現したレイアウト事例です。
執務室のフリーアドレス制導入に対する賛否がスタッフ間で分かれたことから、中央にフリーアドレス用の長いデスクを置き、両サイドに固定席を希望する人のためのデスクを設置するという折衷案で解決しました。

コーポレートカラーをアクセントに使用し華やかで機能的なオフィスに

コーポレートカラーである青をオフィスの各所に差し色として使用したことで、華やかにリニューアルした例です。
使用できる面積は変わらない中、ちょっとしたミーティングも可能なスペースも設けて機能性を高めたほか、OAフロア化したことによって、動線もより機能的になっています。

執務室のレイアウト設計・施工は専門業者に相談しよう

オフィスの執務室を社員にとって働きやすく、かつおしゃれな空間にするには、専門業者に依頼してデザイン・レイアウトから依頼するのがおすすめです。
これは、執務室のデザイン・レイアウトには、専門知識と豊富な経験を要するからです。
費用を抑えつつ、執務室の機能性とデザイン性を両立させるためにも、適切な業者選びをしたいところです。

オフィスデザイン・オフィス移転の専門業者オフィスコムでは、お客さまの事業内容や理想のオフィスをヒアリングし、働きやすいオフィスへのリニューアルをご提案しています。
オフィスの働きやすさ向上をご検討中の方は、オフィスコムにご相談ください。