オフィスの床の上で、電源やケーブルがぐちゃぐちゃになっていませんか?
足を引っ掛けてしまう原因となりとても危険です!
社員が怪我をしないためにも床の上はきれいにしておきたいところです。
本記事でご紹介するOAフロアは、ぐちゃぐちゃになりがちな配線類を床下に収納してしまうことで、オフィスを安全できれいに使えるようにするためのものです。
最近では、初めからOAフロアが備えられているテナントもありますが、自分で手配しなければならない場合も多くあります。
本記事では、自社とって適切なOAフロアを選んでいただけるように、選び方のポイントについて解説します。
また、信頼できる製品であるかを見極めるひとつの指標として「JAFA性能評価認証制度」についてもご紹介します。
オフィス機能に不可欠なOA機器の配線類(電源・ネットワークケーブル・電話線など)は邪魔にならないように、できれば床下に納めてしまいたいものです。
このような場合に活用できるのがOAフロアです。
OAフロアの仕組みは簡単です。
本来の床(床スラブ)の上にパネル(フロアパネル)をさらに敷くことで、床を二重構造にします。
本来の床とパネルの間にできた空洞部分に配線類を収納します。
OAフロアとは、このように二重構造をした床のことをいいます。
オフィスオートメーションの略で、「フリーアクセスフロア」や「二重床」と呼ばれることもあります。
床の上に露出した電源・ネットワークケーブル・電話線などの配線類は、見た目にも汚いだけでなく、足を引っ掛けてしまい、データの破損や怪我の原因となります。
社員が安全で快適に仕事ができるように、オフィス環境を整えることは非常に重要です。
ここでは、OAフロアを導入することでどんなメリットがあるのかを解説したいと思います。
配線に足を引っ掛けて転倒し、怪我をしてしまっては大変です。
危険があるオフィス環境であれば真っ先に整備しなければなりません。
また、ケーブルやコードが断線して重要なデータを損失してしまうリスクもあります。
配線類をしっかり収納しておくことで、これらのトラブルを避けることができます。
また、床の上をスッキリさせておくことで、デスク・チェア・書庫などの家具・什器や複合機などのレイアウトがしやすくなりますし、整理されたオフィスは、清掃がしやすいといったメリットもあります。
きれいなオフィスは結果的に見た目も良くなります。
社内環境を充実させるために、OAフロアを設置するメリットは大きいと言えるでしょう。
OAフロアの種類は、大きく「置敷タイプ」と「支柱タイプ」の2種類に分類されます。
(さらに細分化すると「置敷式簡易OAフロア」「置敷式溝配線OAフロア」「床高調整式OAフロア」に分類されます。)
OAフロアの設置目的は、ケーブルやコードなどを床下に隠してしまうことですが、どちらのタイプを選択べきかは、オフィスの用途や施工条件によって異なります。
本章では、選び方のポイントを5つに絞って、自社のオフィスではどちらのタイプを選択すれば良いのかについて解説します。
一つ目のポイントは施工期間と費用です。
「置敷タイプ」と「支柱タイプ」では、施工期間と費用が異なります。
下記の表は、置敷タイプと支柱タイプ、それぞれの施工期間と費用の目安です(※工事費用を除く)。
置敷タイプは、施工に時間がかからず、費用も支柱タイプの約半分となっているため、多くの企業で選ばれています。
施工期間や予算が限られている場合には、置敷タイプを検討されると良いでしょう。
2つ目のポイントは配線方法と配線収納容量です。
OAフロアにおける配線の収納方法には2つの方式があります。
ひとつは、支柱や脚の間の空洞部分に収納する方法 《パネル下配線方式》、もう一つは、パネルの溝に沿って配線をし、上からカバーをかぶせて配線を保護する方法 《溝配線方式》です。
パネル下配線方式は、溝配線方式に比べ配線収納容量が大きく配線の自由度が高いといったメリットがあります。
また、支柱タイプの場合ですと、床高調整によって脚の高さを変えることで、収納容量をさらに大きくすることが可能です。
しかし、混触が発生しないように配線設計を行う必要があります。
一方、溝配線方式は、配線収納容量は小さいですが、溝に沿って整然と配線するため混触を防止することができます。
また、配線のしやすさやメンテナンス性の良さも溝配線方式のメリットです。
カバーを取るだけで配線を組み替えることができるので、配線の変更や増設も簡単です。
電源・ネットワークケーブル・電話線など「配線数」を想定し、どちらかを決めると良いでしょう。
配線数が少ない場合や、レイアウト変更・増床の予定がある場合には、「溝配線方式」がおすすめです。
想定される配線数によって、OAフロアの候補を絞ることができます。
一般的なオフィスの収容人数に対する推奨タイプの目安は次の通りです。
業務や人数によっては(コールセンターなど)、想定より配線数が多くなることもあります。
配線数によって対応可能なものを選ぶ必要があるため、業者と相談の上決定することをおすすめします。
3つ目のポイントは耐荷重です。
耐荷重性能の判断には「N(ニュートン)」という単位について知っておく必要があります。
一般的に「支柱タイプ」は「置敷タイプ」に比べ、耐荷重性能が高いと言われますが、材質によって異なります。
耐荷重の数値で判断することをおすすめします。
OAフロアの製品カタログに「耐荷重:○○○○N」といった表記があります。
N(ニュートン)とは、1m²あたりに耐えられる強さの単位のことです。
1000N = 100kgに相当しますので、例えば「4000N」とすると、1m²あたり400kgの重さに耐えられるOAフロアだということを意味します。
タイプ別の耐荷重の目安は以下の通りです。
タイプだけでなく材質によっても耐荷重性能は異なります。
どれほどの性能が必要であるかは、その部屋に設置する什器の重さによって判断します。
おおよその目安は次の通りです。
4つ目のポイントは材質です。
パネルの主な材質は、樹脂・コンクリート・アルミ・スチールです。
樹脂やコンクリートは「置敷タイプ」のOAフロアに、アルミやスチールは「支柱タイプ」のOAフロアに使われています。
先ほど、材質が耐荷重性能と関係していることに触れましたが、それぞれの素材に特長があります。
ここでは、素材別の主な特長について紹介したいと思います。
どの材質が適しているかについては、配線収納容量・配線方式・耐荷重性能とあわせて決めることが重要です。
OAフロアを設置する部屋の用途と什器・機器の種類や重量によって決定します。
5つ目のポイントは、施工条件です。
特に「置敷タイプ」の設置を考えている場合は注意が必要です。
設置をする前に、以下の2点について確認しておく必要があります。
これらは施工方法の違いに由来するものです。
「置敷タイプ」と「支柱タイプ」の施工方法について簡単に解説します。
置敷タイプは、ブロック型のパネルを床に敷き詰めていきます。
パネルが、がたつかないように、前工程として不陸調整用のフロアシート(アンダーレイシート)を敷いて、床面の傾斜や凹凸した箇所を平に均しておきます。
一方、支柱タイプは、支持脚の位置決め・レベル調整・固定を行ってから、支柱の上にパネルを設置していきます。
支持脚を床に固定する際に接着剤を使用しますが、オフィスビルによっては、テナントが遵守すべき工事のルールを定めている場合もあるため、ビル管理会社に施工条件を確認しておく必要があります。
オフィスの天井の高さも確認が必要です。
通常2.5〜2.6mくらい、大規模なオフィスになると、2.8〜3mほどの高さがあります。
しかし、古いオフィスビルは天井の高さがこれよりも低くく、OAフロアの高さを高くしてしまうと、天井が低くなり圧迫感を感じてしまうことがあります。
支柱の高さの調整は、内装業者に相談することをおすすめします。
OAフロアの選び方のポイントを解説しました。
最後に、置敷タイプと支柱タイプ、それぞれのメリットとデメリットについてまとめます。
置敷タイプは、「フロアパネル」と「脚(支柱)」が一体化しており、施工自体は敷き詰めるだけで簡単かつスピーディーに行えます。
施工性に優れているのが特長です。
工期に余裕がない場合などにおすすめです。
また、支柱タイプに比べると商品価格・施工費ともに安く、コストダウンを図れます。
一方で、脚とフロアパネルが一体化しているために高さの調整ができません。
床の構造(床スラブ)に不陸(凹凸や傾き)がある場合には不向きのタイプです。
また、耐荷重の制限もあるため、重量物を設置する場合には注意が必要です。
支柱タイプは、「フロアパネル」と「脚(支柱)」が別体となっており、脚を床スラブに固定した上でフロアパネルを乗せていきます。
配線容量が多い場所に適していますが、レベル調整(高さ調整)が可能なため、配線容量の多い少ないに柔軟に対応できるといったメリットがあります。
また、古いビルのように、床スラブに不陸(凹凸や傾き)がある場所(※)、重量物を設置する場所に最適です。(※ 設置する物の重量に応じて支柱を増やす、ベニアなどで補強をするなどの対策を行う必要があります。)
安定性も高いので歩行感が良いのも支柱タイプの特長です。
ただし、置敷タイプに比べると施工に時間がかかり、コストも割高になります。
オフィス移転やリフォームに時間やコストをかけられない企業には不向きです。
※)古い建物のオフィステナントの場合、一部不陸が目立つ物件もあります。入居前に不動産担当者やビルのオーナーに確認するようにしましょう。
OAフロアは、表から見えない部分であるため、なるべくコストカットを図りたいかもしれません。
しかし、長ければ10年以上使われるものです。
安さも重要ですが、適切な製品でなければ事故につながることもあるので、慎重に選ぶ必要があります。
そこで、信頼できる製品であるかを見極めるひとつの指標として「JAFA性能評価認証制度」をご紹介します。
「JAFA性能評価認証制度」とは、フリーアクセスフロア工業会(JAFA)が定めるフリーアクセスフロア(OAフロア)の性能認証制度です。
JISが定めたフリーアクセスフロアの測定方法(JIS A 1450)に基づいて試験を行い、その結果をもって審査・性能評価がなされ認証されます(※)。
2019年にできた新しい制度で、認証評価品の数はまだ多くはありませんが、性能評価基準と推奨される性能値が明確に示されていることに意義がある制度です。
製品の性能を見極める上で一つの指標になります。
※)性能グレードを荷重条件2種、燃焼性能2種の全4区分にすることでOAフロアに求められる機能をわかりやすく、選択の利便性を図っています。
OAフロアを製造しているメーカーはたくさんありますが、ここではJAFA性能評価認証品として認証されている製品の開発メーカーをご紹介します。
1950年創業の共同カイテック株式会社は、バスダクト(電力幹線システム)・OAフロア(フリーアクセスフロア)・屋上緑化の3つの事業を柱とする電気設備・建材の開発メーカーです。
OAフロア(フリーアクセスフロア)は、オフィスビルを始め、官公庁・学校・病院で使用されており、累計1500万㎡(東京ドーム320個分に相当)以上の納品実績があります。
JAFA性能評価認証品のネットワークフロア・ハイスチールは「10年保証制度」が設けられており、品質の高さが保証されています。
建築部材の販売や施工を行う建材メーカーです。フリーアクセスフロアを主力商品としており、一般オフィスの他、データセンターやクリーンルーム用のフロアも取り扱っています。
インナースチール(IS500N)は、あらかじめ構成部品を組み込んでから出荷することで、短期施工を可能にした製品です。スピーディーな施工を求められる現場に適しています。
また、ウッドコアスチールフロア(WSB500N・WSA500N)は、OAフロアパネルに什器を直接固定することで、地震発生時に什器の転倒を防止します。
什器を固定するなどして地震対策を講じている企業は少ないのではないでしょうか。
大掛かりな工事を必要とせず、施工できる画期的な方法です。
オフィス用フロアシステム・福祉機器商品・住宅商品などの開発・製造・販売を手がけるメーカーです。
同社の代表製品、OP2システムは、自動車部品製造で培ったプレス加工技術を駆使し、日本で初めて開発されたスチール製フロアパネルです。
主に、住宅・建築・土木・環境関連製品の製造・販売を行う企業です。
NeoFOSPAシリーズは、モルタル充填タイプのスチール製で、強度・耐久性に優れています。
また、歩行感が心地よいといった特長もあります。
支持脚を変えることで、床高50mmから10mm刻みで高さを自由に変えられる柔軟性があります。
フロアパネルを設置した後、床材を敷設し仕上げます。
フロアタイルやPタイルなど様々な床材がありますが、OAフロアにはタイルカーペットをおすすめします。
その理由は、配線の変更や増設が簡単に行えるためです。
タイルカーペットを敷設する際に接着剤を使用しますが、ピールアップボンドという特殊な接着剤を使用することで、カーペットを簡単に貼ったり剥がせたりできます。
そのため、カーペットをめくるだけで簡単に配線にアクセスすることが可能です。
また、多くのタイルカーペットは、制電機能・防災機能・遮音機能・防臭機能・防汚加工といった機能が付いていますし、色・柄・素材感のバリエーションも豊富です。
施工性や種類などトータル的に、OAフロアと一番相性が良い床材だといえます。
ここでは、OAフロアの施工事例をご紹介します。
OAフロアの種類やメーカーはたくさんありますが、どれが最適であるかはオフィスによって異なります。
どの製品が良いかについては内装業者へご相談いただくと良いでしょう。
支柱タイプ(床高調整式)のOAフロアを設置しています。
タイルカーペットを敷設していますが、必要な箇所だけ剥がすことができる施工性の高さがわかります。
エントランス・パーテーション・ワークスペース・ミーティングスペース・レコーディングスペースの全ての内装工事を約3週間で完了しました。
置敷式溝配線OAフロアを設置しています。
床材は、タイルカーペットと木目のフロアタイルを貼り分けて、デザイン性を高めました。
同社は「働きやすさ」をコンセプトにしたコワーキングスペースです。
フリーアドレス席・個室・ミーティングスペースと、働く人が必要に応じて席を選ぶことができます。
OAフロアは、オフィスに限らず、学校や病院・工場・店舗などでも設置されています。
今やパソコン・電話・複合機などの電子機器はどこでも必要不可欠であるため需要は高いといえるでしょう。
しかし、どのOAフロアでも良いということではなく、部屋の用途や設置される什器、もしくは工期や条件によって、適切なものを選ぶ必要があります。
また、配線設計やケーブルの取り出し位置などによって施工の方法が変わってきますので、設置をする際には、できればプロに一度ご相談されることをおすすめいたします。