オフィスに設置するタイルカーペットは家庭用のものとは異なり、高い防音性、優れたメンテナンス性・デザイン性など、さまざまなメリットがあります。
しかし、タイルカーペットをいざ導入するとなると「どのように選べばいいのか」「設置時の注意点は何か」と悩む方も少なくありません。
この記事では、オフィスにおけるタイルカーペットの種類や敷くメリット、失敗しない選び方について解説。
また、設置時のポイントや実際の施工事例もご紹介します。
オフィスのタイルカーペットとは?

オフィスで使用するタイルカーペットは、主に50cm×50cmの正方形にカットされたパネル状の床材を指します。
床一面に敷き詰めるロールカーペットとは異なり、施工の際には1枚ずつ敷き詰めて貼っていくのが大きな特徴です。
タイルカーペット表面の繊維部分は、用途や耐久性に応じてナイロンやポリプロピレンなどの繊維が使用されています。
一方で裏面は、敷いたときの安定性を高めるため、PVC(塩化ビニル樹脂)とガラス繊維布などが使われる傾向があります。
家庭用のタイルカーペットとの違い
家庭用タイルカーペットとの一番の違いは、土足での歩行を前提としていることです。
また、多くの人が往来しても擦り切れない高い耐久性と、汚れが付きにくい防汚性を備えています。
また、家庭用のカーペット裏面は、吸着素材が使われていることが多いのに対し、オフィス用は専用のボンドで接着するために、ズレにくい構造になっています。
オフィスにおけるタイルカーペットの種類
タイルカーペットの種類には、歩行頻度や場所に合わせて「中歩行用」と「重歩行用」の2種類に大別されます。
それぞれの特徴は、下記のとおりです。
オフィスにおけるタイルカーペットの種類
| 種類 | 主なパイルの素材 | 特徴 | 使用場所 |
|---|---|---|---|
| 中歩行用タイルカーペット | ポリプロピレンなど |
|
会議室や応接室 |
| 重歩行用タイルカーペット | ナイロンなど | 耐久性と耐摩耗性に優れており、へたりにくい | 執務室やエントランス、通路 |
また、繊維の編み方(パイル形状)によっても特徴が異なります。
オフィスの執務室では、一般的に「ループパイル」が使用されています。
パイル形状の種類
| パイル形状の種類 | 特徴 | 風合い |
|---|---|---|
| ループパイル | 糸をループ状に編み込み、表面を均一にしたもの | 弾力性があり、歩行時の踏み跡がつきにくい |
| カットパイル | ループの先端をカットし、毛足を立たせたもの | やわらかく高級感があり、踏み心地がよい |
| カット&ループパイル | カットとループを組み合わせ、模様を浮き上がらせたもの | 立体感やデザイン性で強調できる |
オフィスにタイルカーペットを敷く5つのメリット
オフィスにタイルカーペットを敷くと、さまざまな利点があることは知っておきたいところです。
ここでは、オフィスにタイルカーペットを敷く5つのメリットについて解説します。
1.防音性が高い
オフィスにタイルカーペットを敷くメリットとして、優れた衝撃吸収性があります。
靴音や椅子の移動音、物を落としたときの音などを吸収し、静かな環境を維持します。
大きな歩行音による集中力の低下を防ぎ、会話の不快な反響も抑えることができます。
2.メンテナンスが容易
メンテナンスが容易なのは、オフィスでタイルカーペットを選ぶメリットのひとつです。
万が一、コーヒーやインクをこぼして汚してしまっても、汚れた部分(1枚単位)だけを取り外して洗浄・交換が可能です。
床全体を張り替える必要がないため、ランニングコストやメンテナンスの手間を大幅に削減できます。
3.デザインの自由度が高く「ゾーニング」ができる
オフィスでタイルカーペットを敷くと、デザインの自由度が高くなることもメリットといえます。
タイルカーペットはさまざまなカラーバリエーションや柄が豊富なため、企業のイメージカラーに合わせた空間デザインが可能です。
また、エリアごとに色や柄を変えることで、壁やパーテーションを使わずに空間を区切る「ゾーニング」にも活用できます。
4.ホコリが舞い上がりにくい
ホコリが舞い上がりにくいのは、オフィスでタイルカーペットを敷くメリットのひとつです。
フローリングなどのハードフロアに比べ、カーペットは床に落ちたホコリやハウスダストを毛足のあいだに絡めとり、空気中に舞い上がるのを防ぐ効果があります。
特にループパイル形状のものは、ホコリが吸着・飛散防止に効果があるのでおすすめです。
5.保温性・省エネ効果がある
タイルカーペットには保温性があることは、オフィスに敷くメリットに挙げられるでしょう。
フローリングの場合は足下の冷気がそのまま伝わってきますが、タイルカーペットは、繊維のあいだに空気の層を含むため断熱性が高く、冬場に足元から伝わってくる冷気をブロックします。
足元の冷えを軽減するだけでなく、オフィスの空調効率をアップさせ、省エネ効果を高めることも期待できます。
オフィスにタイルカーペットを敷くデメリット
オフィスでタイルカーペットを敷く場合、メリットの一方でデメリットがあることも認識しておきましょう。
具体的には下記のようなデメリットが挙げられます。
《 オフィスにタイルカーペットを敷くデメリット 》
- 通気性が良くない:密閉性が高いため、床との間に湿気がこもりやすい性質があります
- 液体汚れに弱い:放置するとシミの原因になります
- 定期的なメンテナンスが必要:定期的な掃除機掛けや、専門業者によるクリーニングが必要です
特に定期的なメンテナンスは、社内の総務担当者などがDIYで行うには難度の高い作業なので、専門業者に依頼すべきといえます。
タイルカーペットを選ぶ際には、通気性が高かったり、防汚機能の高い製品を選んだりするなど、実績のある専門業者に相談するのが安心です。
オフィスのタイルカーペットの選び方
オフィスのタイルカーペットを選ぶ際には、3つのポイントを押さえましょう。ここでは、オフィスのタイルカーペットの選び方について解説します。
設置場所で選ぶ
設置場所で選ぶのは、オフィスのタイルカーペットの代表的な選び方になります。
具体的には、人の往来が激しいエントランスや通路、執務室には、耐久性の高い「重歩行用」のタイルカーペットを選びます。
一方で、役員室や応接室など、おもてなしや高級感を重視したい場所には、踏み心地が良くデザイン性の高い「カットパイル」や「中歩行用」を選ぶなど、場所の目的に合わせた素材選定が重要です。
設置する場所本来の目的に沿った、適切な素材やデザインのタイルカーペットを選びましょう。
デザインで選ぶ
オフィスのタイルカーペットは、デザインで選ぶ方法もあります。
コーポレートカラーを取り入れたり、オフィスデザインのコンセプトに合わせたりして選ぶのがおすすめです。
また、タイルカーペットは下記のような「貼り方」がある点にも留意しましょう。
《 タイルカーペットの貼り方 》
- 市松貼り:隣り合うタイルの向きを90度変えて交互に敷く方法
- 流し貼り:すべてのタイルの向きを同じ方向に揃えて敷く方法
市松張り|一番オーソドックスで標準的なタイルカーペットの貼り方
タイルカーペットの貼り方によって、オフィスの見え方も大きく変わるので注意が必要です。
機能性で選ぶ
機能性で選ぶのは、オフィスのタイルカーペットの選び方のひとつです。
近年のタイルカーペットには、さまざまな付加機能が備わっています。
具体例として、会議室には「防音(遮音)性」、不特定多数が行き来する場所には「防汚性」や「撥水性」、パソコンなどの精密機器を扱うエリアには「帯電防止(静電)機能」など、部屋の用途に必要な機能を重視して選びましょう。
オフィスのタイルカーペット設置時のポイント
オフィスにタイルカーペットを設置する際には、いくつかのポイントを押さえましょう。
ここでは、オフィスのタイルカーペット設置時のポイントについて解説します。
ゾーニングを事前に決める
オフィスのタイルカーペット設置時のポイントとして、レイアウト設計の段階で、あらかじめゾーニングを明確にしておきましょう。
これはゾーニングに応じて、そこに敷くタイルカーペットを決めることができるからです。
場合によっては、タイルカーペットによるゾーニングが実現すれば、デスクエリア、ミーティングエリア、リフレッシュスペースなどを床の色分けで表現できれば、高価な間仕切りパーテーションを設置する手間やコストを削減できます。
配線にも配慮する
オフィスのタイルカーペットを設置するときには、配線にも配慮するのがポイントです。
近年のオフィスのほとんどは二重構造となっているOAフロア(フリーアクセスフロア)を採用し、コンクリートの床と実際に歩行する床とのあいだの空間に配線やLANケーブルなどを格納しています。
OAフロアでタイルカーペットを設置したり張替えたりする場合、複雑な配線の取り回しが必要となります。
これは不慣れな総務担当者の手に負えるものではありません。
オフィスの配線トラブルを防ぐためにも、配線については経験豊かな専門業者に計画段階から相談し、依頼するのが賢明です。
湿度・カビ対策を忘れない
オフィスのタイルカーペット設置時には、湿度対策を怠らないようにしましょう。
タイルカーペットを敷くと床材との間の通気性が下がり、湿気がこもりやすくなります。
特に、地下階や出入口付近、結露しやすい窓際などの湿度が高い環境には、カビやダニが発生するリスクが高まります。
これらのリスクを回避するには、タイルカーペットと床材のあいだに除湿シートを敷くなどの対策が必要です。
また、高湿度の場所のタイルカーペットはメンテナンス時に一部をめくって、床の状態を確認するようにしてください。
オフィスのタイルカーペットの設置事例
オフィスではタイルカーペット活用して、ゾーニングやおしゃれで機能的な空間づくりを実現することができます。
ここでは、オフィスのタイルカーペットの設置事例についてご紹介します。
タイルカーペットでスタイリッシュにゾーニング
「福利厚生の一環として、より良いオフィス環境を提供したい」という想いから始まったオフィスリニューアルに伴い、通路部分とワークスペースをタイルカーペットの色・柄でスタイリッシュにゾーニングを行った事例です。
コーポレートカラーのブルーを大胆に差し色として採用し、無機質になりがちなオフィスをスタイリッシュで活気ある空間に生まれ変わらせることに成功しています。
タイルカーペットがアクセントかつ動線分けに
このオフィスリニューアル事例では、赤や黒、グレーなどのタイルカーペットを組み合わせた事例です。
流れるような赤いラインのカーペットは、デザイン上のアクセントになっているだけでなく、来訪者を導く動線の役割も果たしています。
エントランスからの視覚的効果も高く、来訪者に好印象を与えつつ、働く社員のモチベーションも高める洗練されたオフィスデザインを実現しています。
エリアテーマに合わせた適切なタイルカーペットを選定
このオフィスは、エントランスや会議室、オープンスペースなどの各エリアに、「Ground(庭)」や「Air(空気)」といった独自のテーマを設けてデザインした事例です。
壁面緑化や木目調の天井に合わせ、床のタイルカーペットも芝生や石畳を連想させるナチュラルなデザインをチョイス。
テーマに一貫性を持たせることで、まるで自然の中にいるような心地よい空間を作り上げています。
オフィスのタイルカーペットの施工にかかる費用は?
オフィスに敷いたタイルカーペットは長年の歩行や椅子の移動によって少しずつ劣化し、貼り替える必要があります。
貼り替えのタイミングは、一般的に5、6年が目安です。
この貼り替えにかかる施工費の単価目安は、オフィスコムによる施工の場合、1平方メートルあたり2,000~4,000円程度(東京23区内の場合、材料費含む)が相場となっていますが、床の状態や選ぶ製品によって価格は変動しますので、実際に設置する場合には専門業者に相談してください。
張替えのタイミングでお悩みなら
張替え時期や費用の疑問、解消します!
「費用感がイメージできず迷っている。」
「張替えに最適なタイミングが分からない。」
まずはお気軽にご相談ください!
お問合せはこちらから
タイルカーペット工事に関する相談は専門業者へ
オフィスのタイルカーペットは、防音性の向上やおしゃれなゾーニング、快適な職場環境づくりに非常に有効な床材です。
しかし、耐久性の見極めやOAフロアの複雑な配線処理、湿度対策など、美しい仕上がりと長持ちさせるためにはプロの技術と知識が欠かせません。
社内でのDIYは避け、豊富な実績を持つ専門業者に依頼するのが確実です。
オフィスコムは、お客さまの事業内容や理想のオフィスをヒアリングし、最適なオフィス内装工事をご提案しています。
3,000件以上の確かな施工実績とプランニング力で、オフィス物件選定からオフィスの内装工事まで、トータルコンサルティングを提供します。
オフィスのタイルカーペット工事に関する疑問やお悩みは、どんなことでもお気軽にご相談ください。