コラム

社外で仕事できる場所・スペース10選!テレワークにもおすすめ

作成者: オフィスコム|Oct 5, 2021 4:00:00 AM

みなさんは、通勤時間にどれくらいの時間を費やしていますか?
毎朝早起きをして混雑した電車を乗り継ぎ、会社に到着した頃にはすでにちょっとした疲労感を感じ、帰りも疲れた身体で満員電車に揺られ家に辿り着いた時にはぐったりという毎日を送られている方も少なくないのではないかと思われます。
コロナ禍でテレワークを経験した方の中には、なんと無駄な時間と労力を掛けていたのだと感じた方もいらっしゃったでしょう。

職場と住居が離れた場所に存在する「職住分離」が進んだ背景には、日本の高度経済成長があります。
経済の発展とともに人口が都市部に集中するようになり、都心の地価は高騰しました。
そこで、溢れる人々の受け皿として発展したのがニュータウンと呼ばれるような郊外の住宅地です。
しかし、高度経済成長期に多かった専業主婦世帯が減り、現在は共働き世帯が増えたことで、通勤時間を短くできる「職住近接」が求められるようになりました。

労働人口の減少問題を抱えた日本では、優秀な働き手は貴重な存在となっていることもあり、国も企業も働きやすい環境づくりに力を入れるようになっています。
実際に、コロナ禍以前からテレワークの実施率が高い企業は、ウェルビーイング志向が強い傾向にあるそうです。

本コラムでは、サテライトオフィスを利用したワーカーの調査結果から、ワーカーが働く場所に求める条件や環境について読み取り、テレワークにおすすめの場所とそれぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。

働く場所に求められる条件や環境とは?

テレワークを実施するにあたってワーカーは「働く場所」にどのような条件や環境を求めているのでしょうか。
実際にテレワークを経験したワーカーを対象に行われた調査を参考にしてみたいと思います。

左の表は、実際にサテライトオフィス勤務を経験された方が感じたメリット(※1)について、右の表は、コロナ危機の収束後にサテライトオフィスを利用すると想定した場合に重視すること(※1)についての調査結果です。
これら2つの調査から、テレワークをするにあたってどのようなニーズ(テレワークに必要な条件や環境)があるのかを読み取ってみようと思います。

次に、これら5つのニーズに基づいて、テレワークにおすすめの場所をご紹介します。

※1) ザイマックス総研 「首都圏オフィスワーカー調査 2020」より

テレワークにおすすめの場所とそれぞれのメリット・デメリットとは?

テレワークとは、ICT(情報通信技術)を活用して場所や時間にとらわれず柔軟に働くことを言いますが、その働き方の形態は大きく次の3つに分類されています。

また、ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた「ワーケーション」もテレワークの一形態として含まれます。
ワーケーションとは、観光地や帰省先で休暇を取りながらリモートワークをする新しい働き方のことで、旅行業界ではワーケーションを掲げるプランを強化する動きがあります。

① 自宅(書斎・リビング・寝室)

上表(※1)は、(コロナ禍前後に)どこでテレワークを行ったかについての調査結果です。
現在テレワークを行っている方の割合を見ると、サテライトオフィスなどの施設を利用している方が15.3%に対し、在宅勤務をされている方が58.6%と、自宅をテレワークの場所として利用されている方の割合が高いことが分かります。
確かに、企業も会社以外で働く場所をすぐに提供することが難しいため、自宅はテレワークを行う場所として手っ取り早く利用できる場所だと言えます。

自宅をテレワークの場所として利用するメリットは、時間を有効活用できるということでしょう。
通勤時間を削減できるため、朝や夜に時間のゆとりができます。
空いた時間を家族との時間や勉強や趣味の時間に充てたりと、有意義な時間の使い方ができるようになります。
今まで十分にゆとりの時間を取ることができなかった方にとっては、特に精神的なメリットを感じることでしょう。

また、一人暮らしの方や自分専用の部屋を持っている方であれば、集中しやすい環境ができるのも在宅勤務のメリットです。
コロナ禍でテレワークが推奨されたこともあり、仕事がしやすい環境を整えられた方も多いのではないでしょうか。
会社よりもむしろ働きやすい環境をつくれているかもしれません。
しかし、子供や同居する人がいたり、自分専用の部屋を確保するのが難しい状況の方にとっては、自宅勤務は大変苦労されていると思います。

※1) ザイマックス総研 「首都圏オフィスワーカー調査 2020」 より

② サテライトオフィス(コワーキングスペース・シェアオフィス)

サテライトオフィスとは、本社から離れた場所に設置する小規模なオフィスのことです。
会社がオフィスビルの一室を借ている場合もありますが、シェアオフィスやコワーキングスペースを利用することもあります。

シェアオフィスもコワーキングスペースも、一つのオフィスを複数の個人や企業で共有するという意味では同じですが、それぞれの「目的」に違いがあります。
シェアオフィスは、オフィスを複数人で「シェア = 共有する」ことが目的であるのに対し、コワーキングスペースは「コワーキング = 協働する」ことが目的のオフィスです。

コワーキングスペースは、異業種の方と交流を図り人脈をつくるのに役立てられているため、フリーランスや仕事を広げたい企業の方に利用されることが多い施設です。
また、ドロップイン(一時)利用ができる施設もありますので、会員契約をせずに一時的に利用できる点もコワーキングスペースのメリットです。

一方、企業に属する社員の場合、自宅以外で集中できる場所、もしくは利便性の良い場所で働きたいというニーズが高いのではないかと思います。
そういった方におすすめなのがシェアオフィスです。
コロナ禍以前は、営業が移動時間を削減する目的で利用されることが多く、主に首都圏のターミナル駅近くに拠点を構えるシェアオフィスが目立ちましたが、コロナ禍でテレワーク需要が高まっており、郊外の住宅地にもシェアオフィスの供給が増加しています。
「職住近接」需要を取り込んだ利便性の向上は、ワーカーにとってメリットとなります。
しかし、多くの場合、法人契約が必要になるため、個人的に利用するのが難しい点がデメリットとなるでしょう。

シェアオフィスは、個別ブース、半個室、完全個室というように集中できる空間を選ぶこともできます。
その他、Web会議ができるような防音席を設けるなど、個人の働き方に焦点をあてたワークスペースなのがシェアオフィスです。

機密情報の取り扱いには注意が必要です。
特に個室ではなくオープンスペースを利用する場合には、不注意から情報を漏洩してしまったということにもなりかねません。
社員のセキュリティリテラシーの向上に努める必要があります。

③ ビジネスホテル

テレワークでビジネスホテルを利用するという方も増えています。
というのも、テレワークプランを企画するホテルが増え、宿泊予約サイトでもテレワーク向けのホテルが特集されています。
コロナ禍で出張需要が減少したこともあり、テレワーク需要を取り込むことで収益を上げたいホテル側の意向もあるのでしょう。

ビジネスホテルの利用は、1日のうちの数時間を利用するというよりも、昼間の時間をまるまる使いたい方に向いています。
主にデイユースと宿泊プランに分かれているのが特徴です。
デイユースプランは、ホテルによって違いますが「8時から19時まで」「11時から17時まで」というように長時間の滞在ができるプランです。

ビジネスホテルは個室であるため、機密情報の漏洩リスクが低いでしょう。
トイレへの離席の際にわざわざパソコンを閉じたり、資料を片付けたりする必要もなく、自宅のように使うことができます。
また、シェアオフィスやコワーキングスペースのような共用スペースとは違い、Web会議などで周りを気にすることなく声を発することができますし、話している内容が外に漏れるリスクも低いと言えます。

しかし、今やほとんどのホテルでWi-Fiを完備していますが、ホテルによってはネット回線の速度が遅いといったデメリットがあるかもしれません。
インターネットやWeb会議をスムーズに行えないなどのトラブルが発生するかもしれませんので、事前にサイトや口コミなどで確認しておくと良いでしょう。

④ マンスリー・ウィークリーマンション

コロナ禍でマンスリー・ウィークリーマンションをテレワークを行う場所として利用する方が増加しました。
元々は研修や出張の際に利用されること多かったということですが、コロナ禍で混雑した通勤電車を避ける目的や、ワーケーション目的で利用されるようになったとのことです。

テレワークやオンライン研修に対応したレイアウトになっているのが最近のマンスリー・ウィークリーマンションの特徴です。
生活に必要な基本的な家具・家電に加え、高速インターネット回線・Wi-Fiといった通信設備の他、デスク・チェア・モニターといった仕事に必要な設備が充実している物件も出てくるようになりました。

敷金・礼金、仲介手数料、火災保険料等が不要で、一般的にインターネット使用料は家賃に含まれています。
初期費用の負担が少ないのが、マンスリー・ウィークリーマンションのメリットです。
しかし、最低契約期間が定められており、短期解約をした場合には違約金を支払わなければならないこともあります。
光熱費や清掃代が別途発生することを考えると、ビジネスホテルの方が良い場合もあるので検討が必要です。

⑤ カフェ・喫茶店

最も気軽に利用できるのがカフェや喫茶店です。
営業の方が移動時間やアポイントとアポイントの間の空き時間に短時間で利用することが多く、飲み物代だけで安く済ませることができるといったメリットがあります。

現在、テーブルに電源が付いているカフェも多く、学生が勉強をしたり、ビジネスマン・ウーマンが仕事をする場所としても、すっかり定着しています。
しかし、カフェや喫茶店は、読書をしたり、友人とおしゃべりをする場所として利用される場所でもあるため、長居しすぎない、静かにするなどといったマナーも必要です。

喫茶店の中には半個室になったビジネスブースを設け、テレワークを行う場所として提供している店舗もあります。
コンセント・Free Wi-Fi・コピー機などのオプションもあり、ビジネス用途として充実した設備が整っています。
利用料金は、3時間パックで1,000円くらいで、別途飲み物代がかかります。

⑥ 駅 個室型ワークブース

駅の構内にボックス型の施設が設置されているのをご覧になったことはあるでしょうか。 個室型のワークスペースになっており、モニター、電源コンセント、Wi-Fi、USB給電といったテレワークに必要な設備が完備されている他、内装には防音パネルが使用されているため話声が外に漏れることはほぼありません。
また、コロナ禍で心配な感染対策ですが、24時間稼働換気ファンの設置、抗菌・抗ウイルス加工をするなど、安心して利用できるようになっています。

駅構内に設置してあるので、移動中の電車を待っている時間を有効活用したい場合におすすめです。
予約には事前に会員登録が必要となりますが、アプリから場所と時間を指定し空き状況を確認して予約します。
空いていれば予約なしで利用することも可能です。
しかし、15分〜30分程度の短い時間の利用には便利ですが、仮に1時間利用したとすると1,000円かかり割高になります。

⑦ カラオケボックス

テレワークプランを提供するカラオケ店が増えてきたのはコロナ禍の影響でしょう。
個人利用から複数人での利用まで可能で、予約なしで利用できます。
個室なので集中することはもちろん、インターネット回線、Wi-Fiも完備されているためWeb会議にも対応できます。

しかし、仕事をする上ではデメリットもあります。
隣の部屋から歌声や賑やかな声が聞こえてくることがあるため、運が悪ければ集中できないということもあるかもしれません。
また、元々仕事をする場所でないため、椅子やテーブルの高さが長時間のデスクワークには不向きです。

一方、複数人で集まって会議を行うには貸会議室を借りるより安価で利用することができます。

⑧ レンタルスペース

レンタルスペースとは、ビルの一部屋、店舗やマンションの一角などといった空きスペースを一定時間レンタルする多目的スペースのことです。
ビジネス目的であれば、貸し会議室、面接会場、セミナー会場として使われます。
その他、パーティーやイベント、撮影スタジオとして使われることもあります。

レンタルスペースは、個人での利用というより、チームや部署単位で集まって共同作業をしたい場合に向いています。
なお、オプション料金は必要か、使用後の掃除は自分たちで行わなければならないか、飲食は可能かなど施設ごとに確認する必要があります。

⑨ リゾートホテル

旅先で休暇を兼ねて働く「ワーケーション」という働き方も広く知られるようになったのではないでしょうか。
旅行会社やリゾート地に立地するホテルがワーケーションプランを企画していたりとコロナ禍をきっかけとして盛んになっています。
ワーカーにとっては、気候が良く眺めの良いリゾート地で働くことができれば、心身の健康が良好になる効果が期待できますし、子供の休みに合わせて旅行を兼ねて遠方に出かけることもできたりと、ワークライフバランスの取れた生活を送ることができるようになります。

リゾート地のホテルと聞くと「高いのでは?」と思われるかもしれませんが、低価格で滞在できるコンドミニアムタイプのホテルもあります。
家族でリゾート地に長期滞在してみるのも、リフレッシュされて仕事も楽しくなりそうです。

しかし、「ワーケーション」という働き方は新しい働き方であるため、ITベンチャー企業のような比較的若い世代が所属する会社では積極的に採用しているとこもありますが、まだまだ少ないのが現状です。 モバイルワークが可能な業種や先進的な働き方を取り入れることに積極的な企業に向いた働き方だと言えるでしょう。

⑩ オフィスカー

車の中をテレワークの拠点とする働き方をしている人がいます。
「車内テレワーク」と言われていますが、モバイルワークが可能になった時代の面白い働き方のひとつです。

簡単に移動ができるため、自宅の駐車場も、遠く離れた景色の良い場所も、車を止めたところが仕事場となります。
毎日働く場所を変えることで新鮮な気持ちで働ける羨ましい働き方ですが、ワーケーションが認められている会社やフリーランスに限られた働き方かもしれません。
また、車をカスタマイズしなければならないため、費用も200万円〜と高いのがデメリットとなるでしょう。

テレワークは「通勤ストレス」を解消する

通勤時間の長さがストレスと直接的に関わっていることは、想像に難くありません。
混雑した電車に長時間乗っていれば、ストレスを強く感じるのは当然です。

首都圏のオフィスワーカーを対象に行った「通勤時間別に見る通勤ストレス」の調査(※2)では、通勤時間に「60分以上」費やしているワーカーは、通勤ストレスの平均(※3)を大きく上回ることが分かりました。
つまり、通勤時間が長いほどストレスが強くなるということです。

逆に通勤時間が短いとストレスは低い傾向にあるわけですが、通勤ストレスが低いほど「仕事満足度」「プライベート満足度」が高く、通勤ストレスが低いことが「生産性」「(会社に対する)エンゲージメント」に影響することも分かりました。

会社の成長にとっては、社員の仕事に対する熱意・没頭・活力が重要なエネルギーとなります。
だからこそ企業は、社員に働きがいを感じながら働ける環境を提供する必要があります。 そのキーワードとなるのが「職住近接」です。

上の表(※2)は、通勤ストレスがワーカーの生産性や(会社に対する)エンゲージメントにどの程度影響しているかについて調査したものです。

通勤ストレスのスコアが高いグループと低いグループとで比較し、その差が大きかった項目を大きい順に並び替えてみました。
通勤ストレスが低いワーカーは仕事に対する満足度が高いということ分かります。

企業は社員に働きがいをもって働いてもらうためにどうすれば良いでしょうか。
先ほど述べたように、通勤時間が長いほど通勤ストレスは強くなります。
したがって、ワーカーのストレスを減らすためにできることは、職場と住居を近くする(職住近接)対策を取ることです。
その対策のひとつが「テレワーク」です。

勤務先が自宅や自宅の近くにあれば通勤時間を削減できます。
時間に余裕ができればプライベートが充実します。
つまり、時間的な余裕は気持ちの余裕につながり、仕事に対してもプライベートに対しても満足度が高くなる効果があるということです。
そして、意欲的に仕事に取り組めば生産性も上がりやすく、働きがいを感じられれば会社に対するエンゲージメントも上がるのではないでしょうか。
「テレワーク」という働き方は、社員を通勤ストレスから開放し、社員のやる気と能力を引き出す働き方だと言えます。

※2) ザイマックス総研 「通勤ストレスがワーカーの満足度に与える影響(2019)」 より
※3) 「通勤時間別に見る通勤ストレスの調査」を行ったところ、「90分以上」(通勤ストレス7.2)が最も高く、次いで「60分以上90分未満」(通勤ストレス6.2)、「40分以上60分未満」(通勤ストレス5.3)となり、通勤時間に「60分以上」費やしているワーカーは、通勤ストレスの平均値5.2を大きく上回ることが分かりました。

まとめ|ウェルビーイング志向の企業がテレワークを導入する理由とは?

在宅勤務の利用率が高い企業にはどのような条件があるかについての調査で、慶應大学 鶴光太郎教授は、従業員のウェルビーイングの向上を重視する企業で在宅勤務利用が進んでいたと解釈できるのではないかという見解を述べています。

昨今、ウェルビーイング経営が注目されるようになり、ウェルビーイングをテーマにしたセミナーが色々なところで開催されています。
その背景には、産業革命以降続く経済規模の拡大が、私たちの健康、生活、環境に弊害を及ぼすようになってきたことがあります。
長時間労働による過労死、富の偏在による経済格差、世界的な異常気象など様々な問題が顕在化しています。
「GDP(国内総生産)の拡大を追い求めることが本当に私たちの幸せにつながるのか?」そんな疑問が湧いてきます。

このような世界的な動きの中で、企業もサステナブルな経営に取り組み始めています。
そのうちのひとつとして「健康問題」が経営課題となっています。
社員の「健康」は、企業にとって「原動力」であるからです。
社員が健康に働き続けられなければ、企業経営は続けていけません。
だからこそ、企業は社員の「健康」を投資だと考えるようになり、ウェルビーイング経営に注目するようになったのです。

テレワークは、ワーカーを時間や場所の束縛から開放する働き方です。
この束縛から解放されることで、私たちワーカーは肉体的にも精神的にもゆとりができるようになります。
ウェルビーイングとは「心と身体が良好な状態であること」を言ますが、「あり続ける(Well-being)」ことが重要です。
そのためには、ワークライフバランスを取ることが大切なのです。
仕事にやりがいを感じることが、充実したプライベートにつながり、楽しいプライベートを過ごせることが、仕事の活力につながるというように、仕事とプライベートは相互につながっているものです。

通勤ストレスの低いワーカーは、仕事満足度とプライベート満足度が高いことは前述の調査でも示されています。
言い換えれば、通勤時間を削減することが社員のワークライフバランスを整えることにつながると言えるでしょう。
自宅、サテライトオフィス、喫茶店など、勤務場所を選べる「テレワーク」という働き方は、社員のウェルビーイング向上に不可欠な働き方だということです。